ライオンの鼻先には何が見える? 望遠鏡でしか見えない!?ライオン岩の観音堂【山口県周南市】

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2025年10月筆者撮影

いつも見慣れた場所に、見慣れない木の柱と小さな望遠鏡が立っていました。

「いつかこれを設置しようと思っちょったんよ」

そう話してくれたのは、見知った地元の方。

2025年9月6日、山口県周南市(しゅうなんし)の北部、鹿野(かの)地域の観光スポット「ライオン岩」のビュースポットを訪れました。

山の岩肌がまるでライオンの横顔のように見えることから、その名がついた場所です。

その日、ライオン岩のビュースポットそばを通りかかると、木の柱に小さな望遠鏡が取り付けられているのが目に入りました。

望遠鏡は、まっすぐライオン岩の方向を向いています。

2025年9月筆者撮影

「いったい何を見るためのものだろう?」

そう思って眺めていると、軽トラックで地元の方が到着し、丸太を切った木材を運んで来られました。

顔見知りでもあったため声をかけると、「この丸太、あそこに乗っけてくれんか」と頼まれました。
せっかくのご縁だと思い、設置作業を手伝うことに。

日差しや雨を防ぐための屋根を取りつけると、小さな望遠鏡が完成しました。

2025年9月筆者撮影

作業の合間に、気になっていたことを尋ねてみました。

「この望遠鏡、もしかして観音様を見るためのものですか?」

「そうそう。それを見るために作ったんよ」

やはりそうか、と、心の中で納得しました。

ライオン岩があるこの山は岩屋山といいます。その「ライオンの鼻」にあたる部分には観音堂があり、本尊として如意輪観音(にょいりんかんのん)がまつられています。

ただし、この観音堂へ直接たどり着くには、さびた手すりだけを頼りに、断崖のような岩肌を登らねばならず、非常に危険です。

この望遠鏡が設置されたことで、遠くからでも安全に観音堂を拝むことができるようになりました。

後日、望遠鏡は新しいものに更新されていました。(2025年10月筆者撮影)

秋には、ライオン岩のたてがみに見立てられた山の木々が紅葉し、真っ赤なたてがみを持つ「ライオン」の姿が現れます。

これから訪れる紅葉の季節、ライオン岩とその鼻先にたたずむ観音堂を、ぜひ望遠鏡越しに眺めてみてくださいね。

2025年11月筆者撮影
亀谷忠史

亀谷忠史

仕事の傍ら、”鹿野にエールを”をスローガンに、山口県周南市鹿野地域を広報活動で応援する「まちづくり応援団えーる」として活動中。執筆・写真・動画など、さまざまな方法で情報発信し、鹿野を知ってもらう活動をしています。余暇には食べ歩きをしたり、写真を撮ったり、猫を愛でたり、気ままに生きています。

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