
ジャカルタに到着して、もし午前中の早い時間に余裕があるなら、空港からそのまま市内中心部へ向かう前に立ち寄ってみてほしい場所がある。
それが ムアラ・アンケ魚市場 である。
ムアラ・アンケは、スカルノ・ハッタ国際空港から車でおよそ30分。渋滞の影響を受けにくい朝の時間帯であれば、フライト後でも無理なく訪れることができる。観光地化されたスポットとは異なり、ここにあるのは港と市場、そして人々の生活そのものだ。

目次
世界へとつながる、港町の朝
ムアラ・アンケで水揚げされた魚介類は、インドネシア国内だけでなく、世界各地へと輸出されている。
市場に並ぶ魚の量と種類は圧倒的で、早朝から活気に満ちている。その一方で、働く人々の動きはどこか落ち着いており、長年積み重ねられてきた日常のリズムが感じられる。
ここで出会う人々は驚くほど人懐っこい。
カメラを向けると笑顔を返してくれたり、簡単な身振りで会話が始まったりする。言葉が通じなくても、場の空気に身を委ねるだけで、この場所に溶け込める感覚がある。

市場ならではの色とにおい
ムアラ・アンケ魚市場を歩いていて印象的なのが、魚を処理するための器やバケツのカラフルさである。
赤、青、緑といった鮮やかな色が並び、銀色に光る魚と重なり合う光景は、思わず写真に収めたくなるほどだ。いわゆる「インスタ映え」を狙って作られたものではないが、結果としてとても絵になる。
ただし、この市場は決して万人向けではない。
観光本にはあまり掲載されておらず、魚市場特有のにおいもかなり強い。清潔で快適な観光地を求める人には、正直おすすめしにくい場所だ。ディープな旅を楽しみたい人、土地のリアルな日常を見てみたい人向けのスポットである。

新鮮な魚を、その場で味わう
市場で選んだ新鮮な魚介類は、近くの食堂や屋台でそのまま調理してもらうことができる。
焼く、揚げるといったシンプルな調理だが、素材の新鮮さが際立ち、驚くほどおいしい。早朝から動いた体に、温かい料理が心地よく染みていく。

滞在は短時間でちょうどいい
ムアラ・アンケ魚市場は、長時間滞在する場所ではない。
魚市場特有の強いにおいがあるため、1〜2時間ほどで切り上げるのがちょうどいいだろう。観光の合間に軽く立ち寄り、そのままジャカルタ中心部へ向かう流れがおすすめである。
空港から近く、観光地ではないジャカルタの日常に触れられるムアラ・アンケ魚市場。
旅の最初に訪れることで、この街のもうひとつの表情を知るきっかけになるはずだ。
情報
スカルノ・ハッタ国際空港到着後はタクシーアプリを利用し、行き先をムアラ・アンケ魚市場(Pasar Ikan Muara Angke)と入力するだけでよい。所要時間は渋滞の少ない朝であれば約30分で到着する。



※写真は全て筆者が撮影(2025.12.20)





