〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
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能登の里山里海が希少な牛を育む、能登半島・志賀
「能登富士」と呼ばれる霊山・高爪山。そのふもとに広がる集落や松本清張の小説『ゼロの焦点』の舞台となった荒々しい奇岩の景勝地「能登金剛」。こうした里と浜の自然が満喫できるのが、石川県の能登半島にある志賀町(しかまち)です。
寺岡畜産株式会社は、この能登半島を中心に飼育され、出荷頭数の少なさから”幻のブランド牛”と呼ばれる「能登牛(のとうし)」の普及に尽力している精肉加工などの会社です。
希少な能登牛を扱う能登の老舗肉屋「先代の思いを次世代に」
程よく入った霜降りに、きめ細かな肉質、それに上品な脂。これらの特徴がある「能登牛」を名乗れるのは、血統が明確で県内で最長飼養された黒毛和種であるなど、厳しい条件をクリアした牛のみです。昨年の出荷頭数は約1000頭。日本三大和牛の近江牛の約7000頭と比較すると、その希少さがわかります。
寺岡畜産では、「能登牛」のA5、A4ランクを中心に一頭買いして、職人によるこだわりのスライスやカットの技術で提供しています。「部位によって、さらには同じ部位でも個体によって、異なる肉質や脂の入り方、繊維などを見極めてカットしています。そうすることで、お肉を焼いた時の食感やうまみの出方が全く違ってくるんですよ」と語るのは、専務取締役の寺岡一彦(てらおか・かずひこ)さん。
創業は明治37年(1904年)。現在は、「能登牛認定飲食店第1号店」として地元でも有名なレストラン「てらおか風舎」をはじめ、グループで県内に加工場1店、精肉店1店、レストラン4店、総菜店1店を構えています。
平成29年(2017年)から能登牛の系統と味を守るため、自ら育てようと、先代が中心となって「能登牛繁殖センター」を設立しました。センターでは、牛たちをリラックスした環境で育てるためにクラシック音楽を流しています。また、生後15か月以上の子牛は胃腸を丈夫にして健康に育てることが重要なため、大麦をたっぷり炊いて食べさせています。
寺岡さんは、100年以上も事業継続している理由を「先代の能登牛への熱い思いを知り、その思いに共感し、次の世代につないでいきたいという思いからです」と、語ります。「買い手(お客)が喜び、売り手(企業)が喜び、社会や環境に貢献できる企業であること、嘘をつかない誠実な企業であり続けることがモットーです。常にお客さまの立場になって行動し、ご縁を大切にする企業であり続けたいと思います」。
「能登牛」をさらに厳選。幸せを感じるプレミアムな味わい
(てらおか風舎外観 事業者提供)
牛肉の脂肪の中に含まれ、風味に最も影響を与えるとされる「オレイン酸」の割合が高いことが評価された能登牛。その含有量に着目して、新たな認定制度「能登牛プレミアム」が創設されました。「能登牛」の最高級のA5ランクから、さらにサシや霜降り具合の基準をクリアし、脂質の品質でも選び抜かれた極上の味が「能登牛プレミアム」です。柔らかく口の中でふわっととろけるような肉の食感に加え、オレイン酸を多く含む脂を焼いた時の独特のいい香りは、食べた人を幸せな気持ちにさせてくれます。
「できるだけたくさんのお客さまにおいしい『能登牛』を知っていただき、食べていただく機会を提供することが、私どもの最も大切な役割だと考えています。また、地域発展のためにも、積極的に生産者の方々との連携を図り、『能登牛』の普及やブランド化に取り組んでいます。『能登牛』とともに皆さまに育てていただいた老舗の肉屋として、今後も、厳選した安心・安全でおいしいお肉をご提供していきたいです」と、寺岡さんは話してくれました。
情報
志賀町観光協会
寺岡畜産株式会社