〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
目次
ナマの声を聞いてみました
①ある日の午後、私のもとに巨大な段ボール箱が届きました。我が家の平和を守る任務に従事する私は、怪しい物に対して詳しく精査する義務があります。
②箱の中身は得体の知れない物体。任務とはいえ、実は臆病な私は離れて様子を窺います。
③平和を守るには勇気を振り絞りもっと近づく必要があるのだけれど‥。
④ええいっ!意を決して、ついにその物体に潜入。なんと!そこには私の大好きな段ボールのフロアが広がっているではありませんか。恐る恐る爪を立て引っ掻いてみましたら「バリッバリッ」硬めで粗目の引っかかりの良い、なんとも心地よい音。それは、ホコリも出にくく、私の健康にも悪影響のない素晴らしい材質。
⑤さらに匂いを嗅いでみましたら、上質な糊の香り、ガジガジもペロペロも安心してできるではありませんか。
⑥ついに心を許し、寝そべってみました。私の身体が収まるピッタリなサイズ感!「ああ!なんて、ゆめごこちなんでしょう!」
【自分の「楽しい!」でみんなを巻き込む】
我が家の猫が「ゆめごこち」と話す、魅力的な爪研ぎを製作しているのは、株式会社イナパックのクラフト部門「くらふと工房クレアル」の伊奈由樹(いな・よしき)さん。
「とにかく、楽しいことばかり考えています。その結果、周りを巻き込み、今のような大きな流れになりました」。
きっかけは15年ほど前、地元の窯業で招き猫を作る事業にヒントを得て、家業である段ボールでも何かできないか、とクラフト製品を作ることをはじめたのが最初。現在、全国各地の観光地などで人気商品となっている、ハサミやカッターを使わず、段ボールパーツを積み重ねて兜飾りをつけるとかわいい武将が作れるという「クラフト武将シリーズ」を生み出し、その後「くらふと工房クレアル」を立ち上げ、猫ちゃんの段ボール爪研ぎの開発、販売を始めました。
大きな作品を作る際に余った部分を利用して小さな作品を作るなど、無駄を出さない工夫をすることにより、伊奈さんが作る商品には実にたくさんのラインナップがあります。その商品ひとつひとつに伊奈さんの「楽しい」が込められています。
古くから窯業で栄えた常滑市
愛知県常滑市は、平安時代末期頃から続く焼き物の産地です。日本六古窯の中でも最も古く最大の規模を誇っていた常滑焼は、現在も重要な産業として地域の経済を担っています。
近年交通機関が発達し、国内外に製品が発送されるにあたり、重要な役割を果たす「梱包材」としての段ボール。株式会社イナパックは、伊奈さんのお婆さまがそこに着目し、はじめられた段ボール工場です。
「段ボールの可能性をさらに広げたい」という伊奈さんは、今後、猫ちゃんと触れ合うことができて、保護猫活動も行えて、さらに爪研ぎも購入できるようなスペースを、まずは地元の常滑に作りたいと考えています。
伊奈さんの「楽しい!」自由な発想は、たくさんの人、さらに猫ちゃん達をも巻き込んで笑顔をどんどん増やしていきます。