移住して出会った沖縄の自然や空気感を「紅型染め」に・虹亀商店【沖縄県南城市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです

〜紅型(びんがた)染めの魅力に惹かれて東京から沖縄へ移住

沖縄県南城市にある「虹亀商店」は、沖縄の伝統的な型染め「紅型(びんがた)染め」のオリジナル雑貨作品を制作・販売しています。

虹亀商店を営む亀谷明日香さんは、紅型染めの魅力に取り憑かれて沖縄に移住されました。小さい頃からものづくりが好きだった亀谷さんは、高校時代に沖縄の伝統工芸品に興味を持ち、友達と2人で沖縄旅をしました。その時に、沖縄にしかない伝統的な染め、織り、陶芸などの手仕事を目の当たりにし感銘を受けました。

その後、沖縄芸術大学デザイン工芸科に進学し、紅型染めの色づかいの美しさに惹かれ、学びを深めました。そして卒業後も沖縄に残り、紅型染めの商品を作り続け、今では店舗「虹亀商店」をかまえるようになったそうです。

沖縄の暮らしの中で出会う自然をモチーフにデザイン

虹亀商店で扱う作品はすべてオリジナルデザイン。全行程手作りの1点ものの商品になっています。「明日すぐにほしいと言われても出来上がるものではないんです」と亀谷さん。デザイン、型紙づくり、糊置き、色差し、隈取り、乾燥などの作業があり、最短で作っても1週間から10日はかかるそうです。

亀谷さんのデザインは、沖縄の土地に息づくものをモチーフにしたもの。植物や生き物、空、海など、沖縄にある自然を描いています。特に朝日をモチーフにデザインした作品が多く、「この場所から見える朝日は最高なんです」と亀谷さん。店舗兼工房の虹亀商店は東向きに立っていて、朝日や月の出がとてもきれいに見えるそうです。

南城市は「沖縄の歴史の始まりの場所」として知られています。昔々「アマミキヨ」という神がいて、沖縄の島々や祈りの場所「御嶽(うたき)」を作ったそう。その時に作った7つの御嶽のうち、4つが南城市にあるということです。始まりの場所からの朝日は格別に美しく、意味のあるものなんですね。

ここで生まれた、ここにしかない「琉球あんどん」

虹亀商店の人気商品のひとつに、 紅型を和紙に染めた「琉球あんどん」があります。「琉球あんどんはここで生まれた、ここにしかないものです」と亀谷さん。琉球あんどんで沖縄の空気感を感じて欲しい、と言います。「琉球あんどんが一つあるだけで、明るくてホッとする雰囲気を作ることができます。特に都会にお住まいで、普段人工物に囲まれてちょっと疲れたなと感じているときには、沖縄の自然をモチーフにした色やデザインを見て癒やしを感じていただけるのではないでしょうか?」

南城市は自然があふれ、何一つ人工物がない風景を見ることができます。北部は山々が並び、鬱蒼とした雰囲気、南部はサトウキビ畑があり明るく開けた感じです。大きな観光地がない分、沖縄の人たちのリアルな暮らしを垣間見ることができる場所です。

「コロナが落ち着いた際にはぜひ南城市に来て、琉球あんどんが生まれた土地の雰囲気を味わってもらえたら」と亀谷さん。まずは亀谷さんの作品から、南城市の自然や空気感を感じてみてはいかがでしょうか?

田口有香

田口有香

長崎県壱岐市

校閲記者兼コミュニティマネージャー

第4期ハツレポーター/ライター兼農家の嫁であり、3人の子どもの母。生まれ育った大阪から壱岐島に家族で移住。
壱岐島は長崎県の離島ですが、福岡から高速船で65分という抜群のアクセス!!海がきれいなのはもちろん、お魚もお肉も野菜も米も焼酎もそろっておりグルメも自慢できます。