長崎県壱岐島の「壱岐焼酎」は、シャンパーニュ地方の「シャンパン」、ブルゴーニュ地方ボージョレ地区の「ボージョレ・ヌーヴォ」と並び、酒類の地理的表示の産地の指定を受けています。壱岐焼酎が産地指定された7月1日は、「壱岐焼酎の日」として日本記念日協会に登録されています。記念日を祝って、長崎県壱岐島では毎年7月1日に「壱岐焼酎で乾杯!」イベントが行われ、7時1分に一斉に乾杯が行われます。壱岐島民たちのイベントでのはじけっぷりを取材しました。
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壱岐焼酎は世界的なブランド酒。地理的表示の認定を受けた7月1日は「壱岐焼酎の日」!!
長崎県壱岐島では、大陸から伝来していた蒸留技術を用いて500年以上前から麦焼酎が造られています。壱岐島で造られる焼酎は「壱岐焼酎」としてWTO(世界貿易機関)にて地理的表示の産地が1995年7月1日に制定され、世界的にブランド酒として認められています。地理的表示とは商品の品質がその原産地に由来する場合、その商品の原産地を特定する表示をおこなうことができる、という制度です。
産地指定された7月1日を祝って、10年以上前から「壱岐焼酎で乾杯!」イベントが行われています。島民は麦焼酎発祥の地としてのプライドを胸に、年に1度のこのイベントを楽しみにしているのです。
「お一人様500円、焼酎飲み放題」、コロナ禍を乗り越え、待ちに待った「壱岐焼酎で乾杯!」イベント
ここ数年はコロナの影響で、一般開催は自粛していましたが、2023年はようやく誰でも参加できる、壱岐焼酎委員会主催の「壱岐焼酎で乾杯!」イベントが復活。
当日は小雨のため、予定していた湯川温泉モクヨンビル駐車場横広場から、屋内の壱岐酒販2階大会議室へ、開催場所を変更して行われました。産地制定の7月1日にちなんだ乾杯時間の午後7時1分に向けて、6時過ぎから徐々に来場者が集まり、受付で500円の参加料を支払って入場。「お一人様500円、焼酎飲み放題」ということで、参加者は「これから飲むぞー」と弾むように会場入りしていきます。
2023年7月1日7時1分、約100名が集い「壱岐焼酎で乾杯~!!」
100名ほどの入場者と関係者が集い、会議室は大賑わい。7時1分を前にすでに壱岐焼酎を1杯、2杯と出来上がり始め、熱気が徐々に高まっていきます。
そして、待ちに待った7時1分、参加者全員、焼酎を入れたコップを持ち上げ、白川博一市長による「壱岐焼酎で乾杯~!」の声で、一斉に乾杯。ここからが本番とばかりに、あちこちで乾杯が繰り返され、3杯、4杯と進み、会場のボルテージは最高潮に!!
天の川酒造の西川幸男社長は「一般の方も参加しての開催は久しぶり。楽しんで大いに飲んでもらいたい」と話してくれました。
日本初の壱岐焼酎ベースのスパークリングカクテルの発表も。島内7つの蔵元による挨拶と乾杯
次に壱岐焼酎の蔵元7蔵による乾杯です。7蔵の代表が前に出て、焼酎に対する熱い思いを語りました。個性豊かな7蔵の代表、お話が上手で爆笑をかっさらいながら、「乾杯!」で締め、次の蔵元へ挨拶を繋げます。ラストの壱岐の蔵酒造、石橋福太郎社長の挨拶では、新発売された日本初の壱岐焼酎ベースのスパークリングカクテル「IKINOCRAFT(イキノクラフト)」についての話題になり、参加者は焼酎を片手に盛り上がりながら耳を傾けていました。伝統を守りながら新たな挑戦を続ける壱岐焼酎に乾杯!
みなさんも、壱岐島で乾杯しましょう
壱岐に旅行に来る予定がある方は「壱岐焼酎の日」、7月1日がおススメです。壱岐島民とともに乾杯が出来ます!
ですが、それ以外の日も心配はいりません。壱岐市では2013年に「壱岐焼酎による乾杯を推進する条例」が制定されています。「宴会のスタートは麦焼酎!」がお決まりで、「乾杯!」「乾杯!」「乾杯!」と夜な夜な麦焼酎で乾杯をしているそうです。「壱岐焼酎で乾杯!」とご発声いただくと、島民から声をかけてくること間違いありません。
写真は全て2023年7月1日筆者撮影
壱岐焼酎委員会HP