毎年7月から8月にかけて、畜産農家を営む我が屋の牛舎にやってくる昆虫「アブ」。同時に「サシバエ」も真夏のシーズンにやってきます。
アブやサシバエは牛の血を吸い、牛が痛みを感じたり、ストレスを感じたりします。畜産農家にとっては、頭を抱える存在というわけです。
そこで、毎年夏休み中の我が子たちが集結!アブはアブ1匹10円、ハエ10匹10円の買い取り制度を設けることで、やる気を出し大奮闘しています。
1、お小遣い目当て?!いいえ牛を守るためです
夕方16時半から18時にかけて、牛に餌を与える準備をし始めると、子どもたちもハエたたきを手に戦闘態勢に入ります。牛の周りにやってくるアブやサシバエを見つけてはやっつけ、一箇所に集めます。「よっしゃー、アブGet、はい10円!」と妹がアピールすると、姉もハエたたきを構え、壁に止まったところを「ピシャー!」とどんどん撃退していきます。この日の売上は、姉110円(アブ10匹、ハエ13匹)、妹30円(アブ3匹、ハエ4匹)でした。お小遣い稼ぎが目的ではなく、牛を守るためにやっていると中学生の姉は言います。
2、1回叩いただけでは死なないアブ
ただし、アブはハエたたきで1回叩いただけでは気絶をするだけで死にません。叩いて、ピンセットを用意している間に目を覚まして、飛んでいってしまうこともあります。叩いたあとは、油断せず、すぐに長靴で踏みつけて息の根を止める必要があります。
今年の夏も我が家の牛たちを守るため、子どもたちが大活躍中。この家に嫁いで50年以上、牛舎を見守っている祖母は「あんたらがアブをやつけてくれるおかげで、年々アブは減っとるばい」と喜んでいます。
※写真は全て2023年7月30日長崎県壱岐市にて筆者撮影