親子で一緒に石臼でひいた抹茶の味は格別|新鮮な抹茶をたてて味わう【福岡県八女市】

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福岡県八女市星野村にある「茶の文化館」は、今年30周年を迎えています。ここではお茶のことを伝えるだけでなく、お茶を知る・飲む・体験するなど魅力的な体験ができます。筆者は今回親子で初めて石臼でひき、新鮮な抹茶をたててその場でいただきました。

茶の文化館からの眺め

9月に福岡県北九州市で西日本陶磁器フェスタがあり、その中に星野村のブースがあり、石臼を使った「抹茶碾(ひ)き」をやっていました。しかし、日程が合わず体験できませんでした。そこで、別の日に星野村まで行き、4歳の息子と一緒に石臼を回す「抹茶碾(ひ)き」を楽しんできました。

石臼とふるい

ガイドくださったのは、古賀  佳代(こが・かよ)さん。

「まずは碾茶(てんちゃ)2gを入れてひいていきます。左に、1秒に1回の速さで回していきます。一番奥まで手が届かないと回せませんので、手を添えて回してあげてください。石臼と石臼の間から少しずつ抹茶になってこぼれてきます。上から入れた碾茶がなくなるまで回してもらいます。碾茶がなくなってから、さらに30回くらい石臼を回してください」と古賀さんが話します。

実は抹茶とは、この碾茶をひいて粉末にしたものでした。抹茶は抹茶と思っていただけに勉強になりました。

「機械の方が力も回す速さも均一なので、仕上がりは機械の方がいいかもしれません。でも、ここでは自分で作ったひきたての抹茶を飲めるので、その点では風味がいい抹茶ができます。碾茶と普通の茶葉の違いですが、碾茶はもまずに乾燥させて砕いたものです。すごく薄い葉っぱを摘みます」と古賀さん。

お茶摘みというと八十八夜(2024年は5月1日)に摘むイメージがありますが、同じタイミングで碾茶も摘まれるのか伺うと、「碾茶は、玉露と同じように覆いをかけて栽培します。覆いをかけることで、お茶の中のうま味成分を含むすごく上質なお茶になります。煎茶が八十八夜前後に摘まれ、玉露がその後、さらにその後に碾茶は摘まれます。葉っぱが開いて薄くなったら、いいタイミングです。5月中旬から下旬、6月上旬が碾茶の最盛期です」と古賀さんが答えてくれました。

石臼と石臼の間からひいた抹茶があふれてきます。ハケで抹茶を集めてきて、すくってスプーンに入れます。ハケもこのサイズはないので、山にあるシュロから手作りをしたそうです。ほうきとちりとりの要領で集めてふるいにかけます。

ふるいを左右に動かすとカタカタカタという音をたてて、さらにきめ細かな粉末となって下に落ちていきます。

粉になった抹茶をふるいにかけます

「片手でふるいを動かした方がしやすいです。最後の方はダマダマが残るので、スプーンでなでながらほぐして落としてあげるときれいに粉が落ちていきます。全て落ちきったら下の引き出しをひっぱってください。キメが整ったきれいな粉になります。引き出しを傾けてトントンとしてあげるとサラサラと落ちていきます」と古賀さん。

さらさらの抹茶のできあがり

ひいた抹茶を自分でたてて飲む体験は格別

ひいたばかりの新鮮な抹茶を、その場でたてて飲むことができます。

茶杓(ちゃしゃく)で粉になった抹茶をすくい、器に入れてお湯を入れ、茶筅(ちゃせん)で泡立てていきます。

千利休になった気分で息子にたててみました。
抹茶は苦いからあまり飲まないかと思いきや、「おいしい」と言いながら全部飲み干しました。さらにおかわりもして二杯もいただいていました。
私も和菓子と一緒に、おいしい抹茶を楽しめました。

ひきたての抹茶を和菓子とともにいただく

こぼさないように慎重に茶杓ですくう
ひきたてできたての抹茶

お茶の文化を楽しむ空間

親子で日本のお茶文化を楽しむことができたのは、とても貴重な機会となりました。
展示コーナーでは、お茶の製法・成育・種類が展示されています。

知っているようで知らないことばかりで、お茶そのものの深い知識を学ぶことができたのは、とてもいい体験となりました。

他にも広さ18畳のお茶室「残月の間」や、国宝の茶室「如庵」がモデルとなっている、4畳半の茶室「妙見庵」なども使うことができます。

本格的にお茶のお稽古やお茶会をしたい方には、雰囲気良く楽しむことができます。以前友人たちと茶室を借りてお茶会をやりたいと話していたので、次回はここを使ってみたいと思いました。

残月の間
落ち着いた雰囲気の妙見庵
静寂の中の鹿おどし

情報

住所:〒834-0201 福岡県八女市星野村10816-5
開館時間:10:00~17:00(体験工房の最終受付15:30)
休館日: 火曜日(祝日、5月、夏休み期間中は開館)
入館料 :無料
抹茶碾(ひ)き 500円 
※ひいた抹茶を自分で点(た)てて飲む体験 別途300円(和菓子付き)
駐車場 :30台
お問い合わせ:TEL:0943-52-3003/FAX:0943-52-3002

https://www.hoshinofurusato.jp/tea

*写真は全て執筆者が2024年9月に撮影したもの

久田一彰

久田一彰

福岡県八女市

第8期ハツレポーター

福岡県福岡市出身。
取材を通じて、そこにあるヒト・モノの魅力・ストーリーをお伝えします。

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