産地直“製”!自家搾り生乳で作ったチーズケーキが食べられる「湖畔のチーズケーキ工房Chie」【北海道網走市】

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絶対不可能だけど、自宅で生乳を搾ってチーズケーキを作ったら100%美味いに決まってる。

そんな不可能を実現したチーズケーキを食べられるのが2022年8月にOPENした「湖畔のチーズケーキ工房Chie」です。

自宅で生乳を搾るってどういうこと??

理解不能だと思いますが、Chieなら可能なんです。

網走の能取湖最奥にあるチーズケーキ工房           

“湖畔のチーズケーキ工房Chie」は、網走市の西側、西網走にあります。西網走は、日本一のサンゴ草の群生地としても知られる能取湖(のとろこ)を中心に漁業と酪農が行われている地域です。

能取湖は、湖なのにホタテやホッキ、北海しまえびなど魚介類がとれる海水湖で、その湖の周囲には牧場が点在しています。漁業と酪農が同じ地域で行われているって、不思議な地域ですよね。

先日、私が記事にしました世界一のジェラート店Rimoで使われている牛乳もこの地域の生乳が使われています。

「湖畔のチーズケーキ工房Chie」は、その能取湖の最奥にあります。地図でいうと、こんな場所。

網走駅から向かうには、大きな湖をぐるっと一周するしかありません。

こんなところにチーズケーキ屋があるなんて誰も思いつかないですよね。

網走から国道239号線を進み、能取漁港を過ぎたら、右に曲がっていきます。

なにもない道を真っ直ぐ進んでいくと、

左手におしゃれな看板と建物が見えてきました。

かわいい猫ちゃんが出迎えてくれます。

内装もおしゃれです。

「湖畔のチーズケーキ工房Chie」のチーズケーキは最上級の新鮮さ!

「湖畔のチーズケーキ工房Chie」製造責任者の熊谷季代子(くまがい・きよこ)さんは大阪府出身。学生時代は、大阪の農業学校に進学しました。大阪府内で数年働いたあと、農業学校時代の実習でお世話になった北海道小清水町で酪農ヘルパーとして働きはじめました。

そして25歳のときに、牧場経営している旦那さまと結婚。

そう、「湖畔のチーズケーキ工房Chie」は牧場の中にあるんです。

敷地内には牛舎が。

チーズケーキで使われる生乳はここで搾られてます。

つまり、Chieのチーズケーキは産地直送ならぬ、産地直”製”。直搾りならぬ、自家搾り。

まさに最上級の新鮮さなのです。

「誰が書いたのかもわからないレシピ」からチーズケーキ工房をスタート               

熊谷さんが趣味でスイーツを作っていたところ、家族や友人から「チーズケーキを買うときは季代子の味より上かどうかで買うのを決めている」といわれるほど周りから大好評。子どもが独り立ちしたのを機に、「このまま何もしない生活を続けるくらいなら」と一念発起してチーズケーキのお店を開くと決めました。

そんなチーズケーキのレシピについて熊谷さんは、

「誰か書いたレシピか知らないんです」

と話します。

熊谷さんがまだ大阪に住んでいたとき、自宅でチーズケーキのレシピが書かれたメモを見つけました。

親にそのレシピについて聞いてみると、「誰からもらったのかわからない」とのこと。せっかく見つけたし作ってみるかと始めたのが最初だったそう。

偶然見つけた誰が書いたのかもわからないレシピからチーズケーキ工房を始めるまでに至るんだから、まるで物語みたいな話。

チーズケーキ工房を開業したことで得られた「お客さんの笑顔」         

工房のメニューは万全でも、開業までには苦労がありました。ラッピング資材、生乳以外の材料の仕入れをいかに安く抑えるか、店舗はどうするか、調理器具を揃えるための予算、といったお金の問題。

地域ならではの排水の難しさ。工場出荷前の生乳を扱うからこその厳重な衛生管理。市役所の水道部や保健所にも通ったそうです。工房立ち上げのノウハウを教えてもらうため、400Km離れた真狩村で同じく牧場スイーツを作っている「ロバヲのマフィン」まで車を走らせたことも。「スイーツが作れるだけではお客さんに美味しいを届けることはできないんです」と熊谷さんは話します。

多くの問題をクリアして2022年8月、「湖畔のチーズケーキ工房 Chie」をOPENしました。Chieの由来について、熊谷さんは「乳牛・生乳と笑顔が繋がりますようにという思いで乳笑(Chie)とつけました」と話します。

決して、熊谷さんの名前から取ったわけではないんです。(熊谷さんは季代子)

開業してみたら、

「お客さんからのたくさんの感謝を頂いています」

と、来る人来る人、由来のとおり笑顔でスイーツを買いに来る人ばかり。

実際、私がインタビューしているときにも絶えずお客さんが訪れ、「通り過ぎちゃったから戻ってきたのっ!」なんて、笑顔で言うお客さんも。

お店には絶えず温かい雰囲気が流れていました。

取材をさせて頂いているうちに商品が売り切れてしまったことがChieの人気を裏付けます。

開業して得られたものはお客さんからの温かい笑顔だけでなく、困難に寄り添ってくれた夫や牧場が忙しいときでも工房の仕事に専念させてくれる息子とお嫁さん、あらためて家族のありがたさにも気づくきっかけとなりました。

チーズケーキを作っているのは熊谷さん一人でも、その裏には家族の支援があるんです。

牧場にあるお店ならではの「上質なチーズケーキをこれからも」                      

「湖畔のチーズケーキ工房Chie」はOPENしたばかり。熊谷さんはこれからについて、

「楽しみに来て下さったり予約をいただいたりするので、自分のキャパシティーを増やすことでクオリティーが下がるくらいなら、敢えてたくさん作らない!ってことも大事だと思うんです。楽しんで、続けていけるようにしたいなと思います」

と話します。

これってすごく重要なことで、自分が楽しんでなかったら、お客さんへ笑顔を繋ぐことなんてできないですよね。

お店の名前は“乳笑”なんですから。

そして、

「何より我が家の牛乳があってこそのChieですから、乳質の向上に日々努めることが最優先」

「上質な牛乳を仕入れるのでなく、作る!」という自宅の牧場で生乳を搾っているからこそ言える言葉ですね。

もう無敵としか感じませんでした。

みなさんも産地直”製”チーズケーキを味わいに訪れてみてください。

【店舗情報】

湖畔のチーズケーキ工房Chie

住所:〒093-0241 北海道網走市能取505−2

営業時間:土、日11時〜14時

毎週金曜日と6月〜10月の期間は牧場の繁忙期のため、不定期営業または臨時休業あり。行く前には下記インスタグラムをチェック!Instagram:https://www.instagram.com/chie.cheesecake/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D

山田丈司

山田丈司

北海道網走市

第5期ハツレポーター

網走のスポットを実際に回って、旅行に訪れる人が簡単に旅行プランを考えられるようなお手伝いができたら嬉しいです!