
2025年7月29日、筆者は約5ヶ月ぶりに大船渡を訪れた。
同年2月26日に大規模な林野火災が発生した同地では海水も利用して消火活動が続けられた。しかし、今もなお、林野火災による被害による爪痕は所々に残る。大船渡は2011年の東日本大震災でも被災しており、二重の災害に見舞われた。
特に被害が大きかった綾里(りょうり)地区では仮設住宅に住むことを余儀なくされたり、生活再建の必要があったりなど住民たちの思いは複雑であろう。
目次
世代を超えて、形を変えて繰り返された被災
筆者はある住民からお話を聞いた。
「1933年の昭和三陸地震の津波での被災後、高台に移ったけれど今回の林野火災でその場所が被災して現在は仮設住宅に住んでいるよ!」
東日本大震災による津波被害は免れたものの今回の林野火災で被災して仮設住宅に住んでいるとのことであった。大変な状況の中、それでも前向きな表情で語ってくれたことには、心を痛めていた筆者としては元気づけられた。



翌日の朝にはまさかの出来事が…!!
翌日30日の朝、突然津波警報が鳴った。ロシアのカムチャッカ半島沖で巨大地震が発生し、沿岸部の交通機関が全面ストップし、漁業にも大きな被害をもたらした。この日は猛暑の中での避難で、熱中症のリスクが高かったために再び多くの課題が突き付けられたことはいうまでもない。

もし、海水浴場を含む海に近い場所にいたらどう対応をとらなければならなかったのだろうかと想像もした。もし、日中で多くの人たちが海水浴で賑わっていたらどう対応をとるべきかということも改めて考えさせられた。
避けられない複合型災害に向き合うには?
東日本大震災のように地震と同時に津波や原発事故の災害が発生するとき、また、遠方の巨大地震による津波災害が発生するときなど、状況によって事象は異なることが多い。マニュアル通りでは追いつかないこともあるため臨機応変に対応をとらなければならない場合が多く出てくる。
「もし、林野火災の真っただに地震が起きたり、津波が押し寄せたりしたら、どのような対応をとるのか?」「果たして避難所は安全な場所と言えるのか?」
「もし、コロナ禍のようにパンデミックが発生したら避難所などはどう運営しなければならないのか?」
「大雨や台風などの荒天だったらどう対応を迫られるか?」
「もし、私(筆者)が遭遇したらどういう事態になっていたのだろうか?」
いかにして最善を尽くせるかを試されることは言うまでもない。これは現地住民に限らずすべての人々が対応していかなければならない課題である。
まず、自分の命を守るということを前提に周囲に呼びかけながらも防災意識を高めていかなければならない。もう、昔の常識やマニュアルなど通用しないと筆者は痛感した。
災害は時間や場所を選ばず突然やってくるものである。
近い将来、発生が懸念される南海トラフ、千島列島海溝、宮城県沖、首都圏直下型などを含めた地震並びに他の地震に対しても複合型災害が起きないとは限らない。近年、全国各地で地震のみならず大雨や台風、火山噴火などの大きな災害が後を絶たない。
いざというときに手近にあるものを有効活用する知恵を調べたり、心の準備をしておかないと、実際災害が起きた時に混乱しかねない。今一度、準備をすると同時に日頃から防災意識を高めていくことが命を守る第一歩だと筆者は思う。
※画像はすべて筆者が撮影。