福井洞窟周辺をサイクリング。アーチ式石橋や最古級の遺跡を巡り、時空を超える旅【長崎県佐世保市】

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令和6年に国の特別史跡に指定された福井洞窟。福井洞窟について深く知るには福井洞窟ミュージアムで学んでから現地を訪れることが最適です。でもそれだけではもったいない!ミュージアムから福井洞窟までにはアーチ式石橋や最古級の遺跡などの見どころがあります。せっかくなのでサイクリングでそれらも一緒に楽しみ、時空を超えていきましょう!

サイクリングは福井洞窟ミュージアムからスタート!

佐世保市吉井町にある国特別史跡福井洞窟の発掘成果や周辺の洞窟遺跡の出土品を展示した博物館。発掘現場からはぎ取った約6mの地層や当時の環境を再現したジオラマなどにより福井洞窟の時代を学ぶことができます。ここでは電動アシスト付自転車の貸し出しも行っていますので、サイクリングに 自転車を借りて出かけましょう。

アーチ式石橋やコンクリート3連アーチ橋の魅力に迫る。形や成り立ち、歴史に思いを馳せて

前岳橋

大正11年に掛けられたアーチ式石橋。橋近くの熊野神社の参道脇には架橋記念碑が建てられています。吉井町内にはも8基のアーチ式石橋がかけられています。吉井町は佐々川や福井川によっていくつかのエリアに分かれており、水害の際にこれらの地区が孤立しないように頑丈な石橋が架かけられたと考えられています。

曲川橋

昭和8年に完成したアーチ式石橋で、佐々川支流の福井川に架かっています。このあたりで福井川が大きく蛇行していることが名前の由来と考えられています。橋のたもとには石橋の愛好家の方々が整備したされた公園もあります。ここから次の橋、川原橋にかけてはかつての炭鉱住宅が今も残っています。

橋川原橋

大正15年に架けられたアーチ式石橋で、水面からの高さが高く堂々とした印象を受けます。またアーチがやや尖とがった尖頭アーチに見えることも特徴です。昭和6年に完成したアーチ式石橋。福井川を渡り、山手の集落に行くための道に架かっています。

松浦鉄道福井川橋梁

 

昭和17年に国鉄伊佐線の鉄道橋として架けられたコンクリート造3連アーチ橋。戦時中の資材不足のため鉄筋の代わりに竹筋を使ったといわれています。また各橋脚の上の小アーチを3つ連続させるデザインは資材の節約をも兼ねていると考えられます。

旧石器時代にタイムスリップ。洞窟遺跡と岩陰遺跡

福井洞窟は約1万9千年前から1万年前までの間、連綿(れんめん)と人が住み続けた痕跡と環境の変化が約6mに及ぶ地層から明らかになった洞窟遺跡。土器を持たない旧石器時代から土器を持つ縄文時代への移り変わりを日本で初めて確認した遺跡で、旧石器時代の遺跡として我が国唯一の特別史跡に指定されています。

直谷(なおや)稲荷神社の裏にある岩陰遺跡。発掘調査では福井洞窟と同じ約1万2千年前の遺物が見つかっているほか、最も深い地層からは約4万2千年前の石器が出土しています。国内でも最古級の遺跡として福井洞窟と並び注目されている遺跡です。

戦国時代に吉井地区を領有していた武将志佐氏の遺構を巡る

戦国時代に吉井地区を領有していた戦国武将志佐氏の居城跡です。一国一城令で廃止されてからはほとんど人の手が入らなかったことから、戦国時代の山城の遺構がほぼ完全に残っている貴重な城郭遺跡。直谷城跡は長崎県の文化財に指定されています。

*直谷城主志佐氏の墓地

板樋橋を渡ったところには直谷(なおや)城を拠点として吉井地区一帯を領有していた戦国武将志佐(しさ)氏の墓地があります。古文書の記録から被葬者がはっきりわかる珍しい墓地で佐世保市の文化財に指定されています。

福井洞窟を中心とした吉井町のサイクリング旅は、古代から戦国時代にいたる歴史と文化を体感できるまさに「時空を超えた旅」。アーチ式石橋の美しい佇まいや日本最古級の遺跡が織りなす景観の中、自転車で巡る一日を楽しみながら、豊かな歴史ロマンを満喫しましょう。

※福井洞窟ミュージアムの写真は佐世保観光コンベンション協会より提供。その他の写真は筆者撮影。

ローカリティ! 佐世保小値賀

ローカリティ! 佐世保小値賀

「ローカリティ!佐世保・小値賀」は、公益財団法人佐世保観光コンベンション協会様・株式会社ゼンリン様そして弊社、合同会社イーストタイムズの3社が協同で行った「『海風の国』魅力発掘発信ワークショップ」をきっかけに始まりました。
佐世保市や小値賀町をふるさとだと思う皆様と一緒に、当地域の魅力を発掘・発信しています。観光資源だけではない、地域に関わっているからこそ知る魅力を届けます。

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