〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
観光地として根強い人気の沖縄県で、糸満市(いとまんし)は本島の最南端に位置しています。沖縄と聞いて真っ先に思い浮かべる見渡す限りのサトウキビ畑と青い空は、ここ糸満でも代名詞となっています。
一方で、太平洋戦争末期の沖縄戦終焉(しゅうえん)の地としても知られ、海岸を含む南部にある国内唯一の「沖縄戦跡国定公園」や、学徒隊の戦争体験などを伝える「ひめゆり平和祈念資料館」は重要な平和学習の場です。
観光を楽しみ、平和を学ぶことができる糸満市で養豚場を営む「株式会社福まる農場」(本社:沖縄県南風原町)は、養豚から食肉製品の製造、それに処理・販売までを手広く行う農業生産法人です。
琉球王国からの沖縄と豚肉の関係、料理引き立てる「キビまる豚」
「沖縄と豚肉」。その2つをつなげる歴史は古く、15世紀から約450年続いた琉球王国の時代にさかのぼります。食肉メーカー最大手・日本ハムのサイトによると、交易のあった中国から沖縄に来る使節をもてなすために養豚が盛んになったということです。豚の角煮「ラフテー」や軟骨のスペアリブ「ソーキ」、耳の肉の「ミミガー」などは、今では沖縄を代表する豚肉料理です。
福まる農場が「沖縄伝統の豚肉の生産量が減少している現状を変えることはできないか」との崎原多順(さきはら・たじゅん)社長の思いから設立されたのは、平成21年(2009年)のことです。設立の3年前から準備を進めてきました。
その後、産学などでの連携・研究を進め、サトウキビや紅芋などの沖縄産素材を入れ込んだオリジナル飼料で育てた豚肉「キビまる豚」が誕生しました。「独特の香りがある脂身とあっさりとして味わいやすい赤身」(農場HPより)が合わさったブランドの豚肉で、沖縄の豚肉料理の味を一層引き立ててくれます。
担当者のイチオシは豚丼! ご飯と一緒に炊いておいしさ倍増
福まる農場の統括部長を務める崎原秀俊(さきはら・ひでとし)さんによると、「キビまる豚」に使う豚には餌として定期的に「薬草」を与えています。薬草には、人の健康に良いとされる「オメガ3脂肪酸」が含まれていますが、琉球大学の研究で、これが「キビまる豚」にも含まれていることが証明されたということです。
崎原さんは「『キビまる豚』の肉質は繊維が細かく、水をたくわえる力が高いので、しゃぶしゃぶや蒸し料理に向いています。でも、毎日豚肉を食べる私のイチオシは豚丼です。米を炊く時に一緒に豚肉も入れ、炊き上がりにタレをかけます。最高においしいですよ」と教えてくれました。