〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
目次
新しさで人々を魅了する「博多西洋和菓子」
福岡県福岡市の中心部から南東部に位置する博多区。全国有数の都市部として知られる一方で、日本最古の稲作集落跡のひとつである板付遺跡や、皐月の博多を彩る「博多どんたく港まつり」など、数多くの遺跡や歴史、伝統が受け継がれていることも博多区の大きな特徴です。そんな文明と伝統が共存するまちには、地域色と独創的な菓子作りを貫く「株式会社明月堂」があります。1929(昭和4)年、「お菓子はみんなに夢を育む」の信念のもと誕生し、以来、博多一筋。こだわりのお菓子でたくさんの人々を笑顔にしてきました。
明治維新以降の人々が、洋への憧れ、夢、ロマンをお菓子に求め出した時代。この時代を背景に、古き良きものの中に新しい文化を取り入れる、つまり和の中に洋を取り入れてできた新しいお菓子「博多西洋和菓子」は、多くの人を虜にしているのです。
決して諦めない、強い想いから生まれた「傑作まんじゅう」
1988(昭和63)年に「博多西洋和菓子」という明確なコンセプトを確立した明月堂ですが、ヒット商品となるものはなかなか生まれずにいました。そんな中、お客さんから「饅頭が食べたい」というリクエストが多く寄せられるようになり、新しい饅頭の開発が始動しました。
新たな饅頭を作るにあたり、開発スタッフは「日本中どこにもない饅頭を開発する」「日にちがたってもおいしい饅頭をつくる」「材料はできる限り最高のものを使う」の3つの課題を掲げました。それはとても簡単に乗り越えられる条件ではありませんでした。しかし、お客さんが感動してまた食べたくなる、そんなお菓子をつくりたいと、だれも食べたことがない饅頭づくりがはじまりました。
開発スタッフは、最高の材料を使うことに徹底的にこだわりました。「材料をまねしても同じお菓子をつくることができない」そんな独創性がほしかったからです。試作と試食を繰り返す日々が続いたある日、試作品の中からたったひとつ、変わった食感のものを見つけ出します。従来のものとは真逆で、時間がたつにつれ皮と餡が馴染んでいく新しいそれは、まさに常識をくつがえす「傑作まんじゅう」でした。
こだわりの商品と真心をこめたサービスで、博多の魅力を発信したい
こうして誕生した新しい饅頭は、博多を代表するお菓子になってほしいとの願いから、日本一の人出を誇る祭り「博多どんたく」の原型とも言われる町人行列「通りもん」にあやかり、「博多通りもん」と名付けられました。また、2001(平成13)年にはモンドセレクションに出品し、みごと金賞を受賞。以降、22年連続で金賞を受賞するなど、全国はもちろん、全世界の人々に愛されるお菓子へと成長していきました。
今や博多を代表するお菓子となった「博多通りもん」。今後の夢や目標について、インタビューに応じてくれた総務部の担当者の方は、「人としての成長をはかり、業界一の商品づくりとサービスをもって、地域社会に貢献していきたいと思っています。そのためには、新商品を含めより良い菓子作りを行い、観光にも一役買えるような企業を目標として、いい形で創業100年を迎えられるようにしたいです」と答えてくれました。
「『博多通りもん』を通して博多の心を感じ取っていただき、『博多は良いところだ、何度でも行ってみたい』と思っていただければありがたいです。」
ぜひ皆さんも明月堂の「博多通りもん」を味わってみてください。