ヤッショ、マカショ!街がひとつになる山形花笠まつり【山形県山形市】

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筆者が山形に暮らして一年半。夏が近づくと心待ちにする行事がある。山形花笠まつりだ。今年で63回を数え、8月5日から7日までの3日間、市街地を舞台に開催された。平日にもかかわらず、県内外から多くの踊り手と観客が集まり、街は一年で最も熱を帯びた。

花笠まつりの魅力は、何よりも踊り手の多様さにある。紅花をあしらった花笠を手に、老若男女が「ヤッショ、マカショ」の掛け声に合わせて舞う。小学生のグループ、地元企業や自衛隊、フラダンス愛好会、退職者の同好会まで。世代も職業も異なる人々が、それぞれの工夫を凝らし、同じ花笠踊りを個性豊かに表現する。次はどんな踊りが登場するのかと胸を躍らせるうちに、時間はあっという間に過ぎていく。

この日のために地元を離れて暮らす人が帰郷し、演者として加わる姿も少なくない。沿道には観客があふれ、掛け声を一緒に響かせて祭りを盛り上げる。3日間だけ、街全体がひとつになる、特別な空間が広がる。

筆者が勤めている教室の生徒にも踊り手がいた。6月から2カ月、小学校の団体として練習を積み重ねてきたという。踊りは単純に見えて意外に難しい。両手で花笠を挟み、一回転させる動作は特に苦戦し、最初は笠を落としてばかりだったそうだ。それでも「できるようになるのが嬉しい」と語り、練習そのものを楽しんでいた姿が印象に残る。

初舞台の緊張も、観客からの「がんばれ!」の声や「ヤッショ、マカショ!」の掛け声に和らいだという。花笠踊りは演者だけでなく観客も一緒に作り上げる祭りであることを、子どもたちは体で感じていた。まだ参加できない低学年の子どもたちが「早く踊りたい」と憧れる姿も頼もしい。

花笠まつりは、一年のうちで山形の魅力が最も色濃く映し出される三日間だ。提灯(ちょうちん)に照らされた踊りの輪を見つめながら、街の人々が誇りを胸にひとつになっているのを感じた。もし心が少しでも動いたなら、次の夏にはぜひ山形を訪れ、この熱気を体感してほしい。

情報

山形花笠まつりHP
https://www.hanagasa.jp/about/

田口雄太

田口雄太

神奈川県出身。現在は山形県で探究教室の運営に携わっています。アフリカ・ルワンダでの2年間の生活経験もあり、旅と写真を通して、その土地ならではの感動を伝える記事づくりを目指していきます。

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