〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
名勝のくぐり岩など、風光明媚(ふうこうめいび)な山口県山陽小野田市に本社を置く、株式会社宇都宮帆布工房(うつのみやはんぷこうぼう)。
山陽小野田市はガラス工芸が盛んな土地柄ですが、宇都宮帆布工房は1958年の創業以来、テント一筋に事業を展開し、直近約10年は帆布かばんが大人気となっています。
1990年代、バブル景気が崩壊したあと、景気の悪化に伴いしばらくの間苦境に立たされました。創業者である宇都宮勇(うつのみや・いさむ)さんが創業間もない頃、牛乳配達用のバッグを自社の帆布で作成していたということを思い出し、孫の三代目社長が帆布を使ったバッグ製品を誕生させました。従業員数は11人と小規模の会社ですが、こだわりとぬくもりのある品々を提供しています。
苦境から一転、丈夫さが特長のトートバッグが大人気に
帆布かばんは、受注生産が基本でオーダーメイドで制作することも多いそうです。「デザイナーはお客さま」と三代目社長の宇都宮秀彰(うつのみや・ひであき)さんは話します。長年、トラックや大型テントなどの帆布づくりを手掛けてきたノウハウを活かして、丈夫さが売りの「たっぷりトート」を作り、年々売上が伸びる人気商品となっています。
一時期、会社は倒産を覚悟するほどの状況だったと言いますが、トートバッグの評判はすぐに広まりました。現在はショルダーバッグ、ボストンバッグなど約20種類がラインナップされています。帆布かばんは山陽小野田市のお土産にもなりました。
帆布かばんのように長続きする企業に
社長の秀彰さんは、「肌触りが優しく、とても手になじみやすいと言ってもらえています。やぶけにも強いんですよ」と話します。手のフィット感にも優れ、長年使うことができます。耐水性のある木綿と、廃棄ペットボトルを活用したシャガールという生地を用い、防火性も高いうえにリサイクル性もある環境にやさしい商品です。
秀彰さんは今後に向け「脱家族経営で、さらに長続きする会社組織化を図りたいですね」と末永く利用できる帆布かばんのように、年輪的成長を果たす会社でありたいと語ってくれました。