兵庫県丹波篠山(たんばささやま)市に残る篠山城跡の南堀にはかつてはハスが繁茂していて、観光名所にもなっていました。
ところがいつの頃からか、ハスの数が減っていき、2005年頃にはとうとう消失してしまいました。時を同じくして、そのお堀では米国からの外来種であるミシシッピアカミミガメが盛んに見られるようになっていました。
このアカミミガメ、昔からお祭の縁日などで売られてきたいわゆるミドリガメの正式名称で、大きくなり過ぎるなどして飼育に手に余り、川や池に放してしまう人が多くこれは日本全国で問題になっており、最近あちらこちらで防除の動きが出てきています。
https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html
※出典:環境省ホームページ (2023年6月1日よりアカミミガメ・アメリカザリガニの規制が始まりました!)
アカミミガメは基本的に雑食性ですが、どちらかというと植物食の傾向が強いようです。前例として、徳島県鳴門市や佐賀城のお堀でもレンコンやハスの食害が問題になっていました。
篠山城跡南堀でもアカミミガメによる食害だと考えられ、丹波篠山市、神戸大学、株式会社自然回復、丹波篠山市森の学校推進委員会、岡山理科大学・亀崎直樹教授、京都先端科学大学・丹羽英之教授、兵庫県立篠山東雲高等学校・田井彰人教諭など多くの協力者により構成された「農都ささやま外来生物対策協議会」が設立され、2014年より防除が開始されました。
カメの捕獲にはカメ網、日光浴わななどが用いられました。そのかいがあって、数年前からハスが再び見られるようになりました。
今年の南堀はさらにハスの葉が増えうっそうとし、ハスの花が満開の季節を迎えています。
カメラを手にした観光客も多く見かけます。
【参考文献】
丹波篠山市篠山城跡お堀における外来種ミシシッピアカミミガメ防除の取り組み
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