沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
沖縄県宮古島市で1954年に創業し、約70年の歴史を持つ「ハワイ製麺所」。昨年、創業者の孫である安元徹好(やすもと・てつよし)さんが代表取締役社長に就任しました。宮古島を中心に、沖縄本島や他の離島でも愛される「ハワイ製麺所」の麺。店名の由来、宮古そばと沖縄そばの違い、もちもち麺へのこだわりをお伺いしました。
目次
晴れた空、そ~よぐ風~、先々代が命名した「ハワイ食堂」
1954年、徹好さんの祖父である、金(きん)さんが食堂を開店しました。メインの宮古そば、他にも沖縄天ぷらと大判焼きとかき氷などを提供する食堂として、当時、地元で人気のお店でした。「晴れた空、そ~よぐ風~」という歌いだしでおなじみ昭和歌謡、「憧れのハワイ航路」から、ハワイという3文字を取って「ハワイ食堂」と名付けました。
先代の父、好徳(こうとく)さんの時代に食堂から製麺のみに業態を変更し、現在は「ハワイ製麺所」として地元で愛され続けています。
沖縄そばと宮古そばは違う?!
ハワイ製麺所が製造している麺の袋には「宮古そば」と書いてあります。沖縄そばと宮古そばは別物かと徹好さんに尋ねると「どちらも美味しいですが、違いがあります」と回答がありました。
昔からいわれているのが「沖縄そば」と呼ばれる大きな分類があり、「沖縄そば」、「宮古そば」、「八重山そば」など、それぞれ発祥の地によって、麺の種類や具材、スープのだしなどが違います。
「沖縄そば」・・ややちぢれ麺、断面は四角、紅ショウガをのせる
「宮古そば」・・ストレート麺、断面は四角、波打ち形状のかまぼこをのせる
「八重山そば」・・ストレート麺、断面は丸、島胡椒(ピパーチ)をかける
徹好さんは「沖縄そばも八重山そばも美味しい。宮古そばは特に美味しい」と、故郷の味に絶対の自信をもっています。「互いのそばを認め合いながら、どのそばもたくさんの人にたべてもらいたい」といいます。
「ミキシング」と「茹で」にこだわり続ける、もっちもち麺の宮古そば
ハワイ製麺所の看板商品である麺。製麺のこだわりポイントは「ミキシング」と「茹で」です。ミキシングとは小麦粉と塩水とかんすいを混ぜることです。麺を理想のコシと粘りに仕上げるのにもっとも重要な部分です。また茹で麺の場合、茹で窯での茹では麺を入れたときから、茹であがるまでに4段階の温度調節が必要だそうです。具体的には企業秘密とのことですが、全てにこだわって、ハワイ製麺所の伸びにくく、のど越しが良く、もっちもち麺の宮古そばが出来上がります。
「代々受け継いだ麺をよりおいしくするために、日々試行錯誤です」と徹好さんはいいます。ハワイ製麺所の宮古そばの麺は島内シェアNo.1を誇りますが、麺の研究を決して怠りません。宮古そばのお店が新しくできたと聞くと必ず訪れ食べてみる、またお得意先の飲食店に行って、麺の状態を確かめます。「ハワイ製麺所」は麺の美味しさを追及し続けます。