和歌山県日高川町に、長さ日本一の藤棚ロードがあるのをご存じでしょうか? その長さ、なんと1646メートル。色とりどりの藤が植えられた遊歩道をぐるりと一周するコースになっており、毎年多くの花見客が訪れる人気スポットです。特に山頂の展望台は、尾根に沿って伸びるカラフルな藤棚ロードを一望できる絶景ポイントとなっています。
しかし、その展望台へ至る道のりがなかなかハード。藤棚ロードは「リフレッシュエリアみやまの里」の森林公園にあるのですが、入ってすぐ目の前にそびえる通称「健康階段」が、のんびりお花見気分で訪れた人たちの心を容赦なくへし折ります。入口から展望台を最短距離でつなぐこの階段の高低差はなんと96メートル。まさに心臓破りの階段です。
もちろん階段を避け、スロープを通って展望台へ至るコースもあります。そちらは比較的易しいですが、最後に油断して階段を一気に下るのは禁物です。段差が不揃いなこともあり、見た目以上に膝への負担がかかるので、出口に着く頃には千鳥足……なんて人が毎年後を絶ちません。
登っても下ってもえらい目にあう「健康階段」。一部では「不健康階段」「健康な人専用階段」などと揶揄(やゆ)されていますが、むせかえるほどの藤の心地よい香りと、その先にある絶景はどんな疲れも吹き飛ばしてくれることでしょう。体力と足腰に自信のある方は、ぜひ一度挑戦してみてください。水分補給と新型コロナウイルスの感染対策はお忘れなく!