ヒトがヒトとして生きる意味を考えたことはありますか?
今回お話を伺ったのは、ヒト作り・バ作りを生業としてフリーランスで活躍をされている吉田めぐみさんです。
吉田さんは、就職活動の際、自分が何者なのかという問いでつまづき、「なんとなく就職したらそのまま人生を終えてしまうのではないか」という危機感があったといいます。
そこで、吉田さんは海外に出ることを決め、それまでの当たり前を超えてくる人・文化・出来事を経験し、「自分は自分らしくいていい」と実感したそうです。
帰国後、教育機関やスタートアップに携わり、一人ひとりと向き合い、「ヒトが成長するバ」を育ててきた吉田さんならではの生き方をご紹介します。
目次
「なんとなく」の人生を避けるために飛び出した海外での出会いと学び
吉田さんは、就職活動の自己分析の際に「なんとなく就職したら、なんとなくな人生を歩んでしまうのではないか」という危機感を抱いたそうです。
そして悩んだ末に、異なる価値観に触れることを決め、海外へ飛び出しました。
海外では、今まで経験したことのない吉田さんの「当たり前」を超えてくるような人・文化・出来事があり、その経験から「こうじゃなきゃいけない、という先入観は間違っていたとわかり安心した」と吉田さんはいいます。
海外というバの中で成長し、イキイキとした自分を見つけることができた吉田さん。
「ヒトはバという環境によって変わってくるのではないか?」と思い始め、バ作りに興味を持ち始めます。
帰国後は、教育機関や起業家向けのスタートアップ企業で、バ作りの実践に取り組んでいくこととなります。
「私と相手、両輪で成長していきたい」
海外で生活していた時のように、色々な人の価値観に触れて生活したい。そう思った吉田さんは、「個人と向き合う仕事」を続けています。
今、吉田さんは、フリーランスとして仕事に取り組んでいます。それらはいずれも、ヒトとの関係性を基盤にして成り立つ仕事です。そのような仕事は、ヒトとヒトの信頼関係に基づき成り立っていますが、同時に信頼関係が失われたときはもろいとも言えます。
どのような時に信頼関係に基づく関係性が失われるかということを考えた時に、吉田さんは、相手から見て、「1対1」ではなく「1対N」の関係性になった時だと思い至りました。では、どういう時に「1対N」の関係性に陥るかというと、それは、「役柄という立場」で相手に接した時だと思うようになりました。
そうならないために吉田さんは、相手と1対1で接することを心がけ、目の前にいる人に向き合う姿勢を仕事で大事にしているそうです。
色々なヒトと接することにより、次第に『この人とこの人を繋げてみてはどうなんだろう』という考えになり、吉田さんがつないだ人が出会う「小さなバ」を形成するようになります。
さらにそのような「小さなバ」と「小さなバ」をかけ合わせていくことで、色々なパターンのバが形成されていくようになります。
現在は吉田さんは、4社と一緒に仕事をしていますが、仕事というよりお手伝いという認識のほうが強く、吉田さんと仕事先の企業、両輪で自走しながら、ヒトやバがステップアップしている感覚があるそうです。
「自分にとっての価値は、人が踏み出して、もの・ことが変化すること」
吉田さんが、人は互いに影響されて生きていると実感したエピソードがあります。
吉田さんが教育機関で働いていた時、問題を起こしそうな子どもがいました。
実は母親に不安があることがわかり、母親に対してケアをしたところ、子供も安定するようになりました。
このことから、ヒトは母親という一番近い存在を始めとした、周りからも影響を受けるということがわかったといいます。吉田さんはヒトは個で完結せず、周りの様々な要素によって形成されていくと実感したそうです。ご自身が関わったことで、自分自身の価値を実感したケースとなりました。
「ヒトとヒトを出会わせて、新しいモノゴトの種となるバを開きたい」
ヒトとヒト、バとバと融合させてきた吉田さんが独立して1年。
独立するにあたって決めていたことがあります。
それは、見ず知らずのヒトたち同士を、彼女がハブになって出会わせたいということです。
独立前はお手伝いというフィルターを通して誰かを応援する側の立場でしたが、独立してからは応援してきたヒトたちと一緒にバをつくる立場になったことで、このような思いが生まれたと吉田さんはいいます。
そこで、不定期ですが「スナック・グミ」というヒトとヒトをリアルに出合わせるモノ・ゴトとなる種のバを開いているそうです。
そこで生まれたシナジーがどう発展していくのか、吉田さん自身も新しい発見や気づきの可能性を感じています。
迷いの多い現代ですが、老若男女問わず、真正面に向き合い、相手の中から生きるヒントを得て、周りのヒトや自分自身を生きやすい環境に育てていく彼女からは、人間力の高さを感じました。