「ふるさとの駅前に活気をもう一度」大阪からUターンの尾崎寿貴さん 火災に負けず美容室を再オープン【和歌山県白浜町】

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和歌山県白浜町の尾崎寿貴さんは、父方の祖父が建てたJR白浜駅前の真珠ビルをリノベーションし、今年3月、美容室をオープンした。

尾崎さんは真珠ビルという名のそのビルで18歳まで暮らしていた。大阪で10年以上美容師として働いていたが、白浜駅前の活気を取り戻したいとUターンし独立。

真珠ビルをリノベーションし、今年3月に美容室Shinjuをオープンした。

「幼い頃にぎやかだった白浜駅前がしだいに活気がなくなり、シャッターが目立つようになった」

その後、ビルは6月に火災にあい営業不能になるが、白浜町内のカフェ「九十九邸豆の湯」の2階を使わせてもらえることになり、仮店舗として営業している。真珠ビル再建へ意気込む尾崎さんに話を聞いた。

「美容師は人生の節目に立ち会える仕事」尾崎さんが大事にしている想い

筆者は、先日、白浜町豆の湯2階にある美容室Shinjuの仮店舗で、尾崎さんに髪の毛を切ってもらった。

ハサミさばきがすごく早く、細かくて驚いた。尾崎さんのオススメのショートカットにしてもらった。とても気に入っている。

尾崎さんは、大阪時代、1日に600人のお客さんが来る有名美容室の店長をしていた。今も大阪時代のお客さんが、観光がてら白浜まで髪を切りにくることもあるそうだ。

尾崎さんに仕事のやりがいを聞くと、笑顔で「美容師は、結婚式や成人式という節目に立ち会える仕事だと思ってるんです」と語ってくれた。

カットをしている尾崎さん

故郷、白浜町への想い

尾崎さんが育った真珠ビルは、尾崎さんの祖父が建て、喫茶店、ゲームセンター、食堂、パチンコ屋を経営していた。尾崎さんの子どものころは、ビルはにぎやかな場所だったが、中学生のころには白浜駅前の人通りが減っていったという。

美容師になったころから、「いつかは地元に戻りたい」と思っていた尾崎さんは、自分が育った真珠ビルに美容室をオープンし、にぎわいを取り戻すことを考えた。

そういった尾崎さんの想いに、地元の人たちが賛同してくれた。地元の人たちとビル掃除やリノベーションをし、今年3月3日に「美容室Shinju」をオープンした。

客足は順調だった。しかし美容室は6月に火事にあってしまい、営業不能になった。尾崎さんは「火事に負けない」と、真珠ビルの改装工事をしている。

苦難を乗り越えできた人との絆と白浜の未来にむけて尾崎さんの意気込み

「まず火災にあって真珠ビルで営業ができなくなってから、サロンを貸してくれた『九十九邸豆の湯』のオーナー古久保寿樹さんに感謝しています」

真珠ビルの復興工事に、かなりの時間がかかるといわれ、肩を落としていた尾崎さんに「なにか助けになってあげたい」と白浜町のカフェ「豆の湯」のオーナー古久保さんがカフェの2階にあるプライベートサロンを貸してくれることになった。地元の人たちの応援で仮店舗でも順調に営業している。

尾崎さんは、必ず真珠ビルでの営業を再開し、そこを「地元の人たちの交流拠点」にしたいと意気込んでいる。

「火災で改装中の真珠ビル」提供尾崎寿貴さん

【美容室Shinju】の情報

  • 改装中の元店舗の住所
    和歌山県西牟婁郡白浜町堅田1385-1 真珠ビル2F
  • 現在の店舗の住所(仮店舗)
    和歌山県西牟婁郡白浜町1384-15 新地長屋5号
    九十九別邸豆の湯2階
久松公代

久松公代

和歌山県和歌山市

編集部校閲記者

第5期ハツレポーター/京都府宇治市産まれ。社会福祉士。父は大阪出身、母は東京出身で子どものころから地域による言葉の違いや風習の違いを感じてきました。和歌山市に移住して18年たちます。暮らして気づく和歌山の良さを伝えて行きたいと思います。