
目次
創業から80年余。地元の方々に愛され続ける和菓子店
「和菓子」は古来より私たち日本人に愛されてきました。おなじみの品から全国のご当地和菓子に至るまで、とても種類が豊富です。その和菓子は長い年月をかけ先人たちが練り上げてきた技術の結晶といえます。
そんな和菓子が作られているお店の中には長い歴史を誇るお店がいくつもあるのですが、宮城県石巻市の和菓子店「石巻岡埜栄泉(いしのまきおかのえいせん)」もそんなお店の1つです。

東京都の老舗和菓子店「岡埜栄泉」にて修業をされた初代のご店主が、のれん分けを許され故郷の地である宮城県石巻市に開いたことがお店の歴史の始まりでした。
岡埜栄泉の流れをくむお店はいくつもありますが、東京都や首都圏以外では石巻市のこのお店のみです。以来80年以上にわたり地元の方々に愛されてきました。そんな石巻岡埜栄泉さんの看板商品「特選どら焼き」をはじめとしたこだわりの和菓子をご紹介いたします。
伝統の味「特選どら焼き」は、ふんわりかつしっとりした生地と柔らかでコクのあるあんこが相性抜群

店内ではいろいろな和菓子を購入できますが、特に目を引くのは看板菓子である「特選どら焼き」(税込170円)です。

ふんわり、しっとりした感触の生地に、柔らかく炊けたつぶあんはなめらかでいて、ほっくりした歯ざわりもあり、上品な甘さとコクをあわせ持つ。この生地とあんの相性は抜群です。口の中に至福のひとときをもたらしてくれました。和菓子ですので日本茶にとても合います。

コク深いこしあんを包み込む、ふっくらとした餅とほんのりした塩気のえんどう豆が美味の三重奏を奏でる「豆大福」
こちらのお店ではどら焼き以外にも人気のお菓子がいくつもあります。どれもとてもおいしいのですが、そのうちの1つ「豆大福」(税込190円)をご紹介します。


ふっくらとした餅の生地はそれだけでもおいしく、コクのあるこしあんは滑らかでスッと舌になじむ甘さが心地よいです。そして赤えんどう豆のほんのりした塩気と軽い歯ざわりが味を引き締め三位一体の美味を作り上げています。
お昼くらいには売り切れてしまうことも多いそうですが、それも納得のおいしさです。
冬の時期のお楽しみ。地元石巻市のいちごと濃密なこしあんの出会いが生んだ「いちご大福」は頬がほころぶおいしさ
石巻岡埜栄泉では、その季節ごとに限定のお菓子も販売されています。お店に伺った冬の時期においしい果物のひとつに「いちご」があります。
冬期限定で販売されている「いちご大福」(税込360円)はこれを求めて来店される方も多い人気のお菓子です。

地元石巻市の新鮮ないちごを使ったいちご大福は、いちごとあんこと餅の香りが一体となり食欲をそそられます。

いちごの爽やかな甘みと酸味、こしあんのこっくりと豊かな甘みを餅が受け止める味の一体感が素晴らしいです。
ジューシーさと甘酸っぱさのバランスがとれたいちごは、それだけでもとてもおいしいです。このいちごと大福が作り出す美味はまさに冬の時期ならではのお楽しみです。
一つ一つ丁寧に作られた和菓子に込められた思い。受け継がれてきた味と真心を継承していく心意気
今回の掲載にあたり株式会社 石巻岡埜栄泉の代表取締役を務められている鈴木嵩弘(すずき たかひろ)さんにお話しを伺いました。
鈴木さんは2024年9月より代表を引き継がれました。石巻岡埜栄泉は以前は石巻市内にて湊の本店と蛇田店の2店舗で営業していました。しかし2011年に起きた東日本大震災により本店が被災し、それ以降は震災前の2008年に開業していた蛇田店を本店として営業しています。
震災により石巻市の多くの和菓子店が閉店してしまいました。だからこそ昔から石巻の地で愛されてきた「和菓子」を守り残していくことが大切だと鈴木さんは話してくれました。
時代の変化にも柔軟に対応し、石巻岡埜栄泉で受け継がれてきた古き良き時代の味と真心を継承していく。
一つひとつ丁寧に作られた和菓子にはそんな思いが込められています。石巻岡埜栄泉はこれからも新たな歴史を育んでいくことでしょう。
店舗情報
石巻岡埜栄泉
住所:宮城県石巻市茜平五丁目7-5
TEL・FAX:022-22-3025
URL:https://okanoeisen.jp/
2 件のコメント
私も岡埜栄泉さんのファンです。歴史ある老舗。1つ1つ丁寧に味が守られている事が分かります。遠くから足を運ぶお客さんも多く
人気商品はお昼前には売り切れになっている可能性が…
いちご大福魅力的ですね♪
渡邉様
コメントありがとうございます。丁寧に守られた味を丁寧に取材したことで、その魅力がきちんと伝わったこと、とても嬉しく思います!
他の地域の地元のお店やいろいろな情報も記事として公開されておりますので、ぜひ引き続き楽しんでご覧になってくださいね!
ローカリティ!編集部