兵庫県丹波篠山市の城下町より少し東側ののどかな農村地域に愛犬用に鹿肉を分けていただいている「カーリマン」というお店があります。

丹波篠山市には、猟師さんが直営で猪肉や鹿肉を販売されているお店は多々あるのですが、「カーリマン」のご主人はそれらのいわゆるジビエ(gibier:フランス語で野生鳥獣肉)を専門的に精肉されています。
猪肉や鹿肉に限らず、やはり狩猟で獲られた野生動物というのは、解体をいかに手早く、また内臓を傷つけず精緻(せいち)に行うかが大切です。
手際が良くないと、肉に内臓の臭みが移ったり、肝炎ウィルスなどの汚染のリスクが高まります。
筆者が愛犬用に分けてもらっている鹿肉は、十分にきめ細かく柔らかい良質なもので、調理の際に犬から盗み食いしてしたいほど美しいお肉です。

「カーリマン」は大阪市内から移住してこられた新田さんご夫妻が経営しています。
筆者は、食べ物の好き嫌いが全くないどころか、ちょっと変わったものも食べてみたいので、いつもいろいろな肉の部位の食べ方について、新田さんの奥さまと会話を長々と楽しんでいます。
仏教国である日本において肉食は禁じられていたものの、一部では多彩な肉食文化が存在していたようで、それが野生動物となるとさらに奥深いものがあります。
今回、犬用の鹿肉を5キロ分けていただいてきましたが、猪ジャーキーと鹿の骨も試供品としていただきました。
ジビエ肉の利用方法について、経営者ご夫妻も常にいろいろ情報を入れながら追求されているので、筆者もその都度、興味深いお話を教えていただきながら、野生動物の食文化を勉強させてもらっています。

GIBIER STANDカーリマン