沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
沖縄本島から飛行機で約1時間ほどの距離にある石垣島。石垣島の絶景スポットとして名高い川平湾(かびらわん)に程近い場所に川平観光農園があります。
川平観光農園では、サトウキビやマンゴー・レモンをはじめ沖縄地方ならではのシークワーサーや紅芋などの栽培、そして観光客に向けて作物を使用したお菓子作りなどの体験を行なっています。
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将来の不測の事態に備えた副業が観光農園の始まり
川平観光農園の池村多喜美(いけむら・たきみ)さんは、ご夫婦で建設業を営んでいます。2000年代初頭に石垣市で行われた建設業の人たちが集まる会合の中で「今後の建設業者は将来の不測の事態に備えるために副業を持った方がいい」という話を聞いた池村さん。
時代がこの先どうなっていくのか不安になった池村さんは「どうせやるのなら農業に携わってみたい」と夫の光星(こうせい)さんと相談し、土地を買い求め開墾を始めます。その広さはなんと2万坪!ほとんど一人で黙々と開墾の作業をする夫の姿に今も感謝していると池村さんは話します。
生のサトウキビを絞ってその場でジュースに!
川平観光農園では、予約のあった団体やツアー客に農園で採れた果物などを使った体験を行っています。
そのうちのひとつ、サトウキビのジュース作り体験。圧搾は人力で行います。大きなハンドルを押してぐるぐる回ると機械が動いてサトウキビが圧搾される仕組み。運動不足の筆者も程よく汗をかき、その後に飲んだサトウキビジュースは「こんなにおいしい飲み物があったのか」と思うほど。最初はそのまま飲んで、途中からシークワーサーを絞って入れるとまた違う味わいが楽しめます。
他にも、ムーチーやゆーぬく餅(沖縄の餅菓子)、かんだばー入りあがらさー(サツマイモの若い葉や茎入り蒸しパン)、黒糖入りあがらさーやサーターアンダギーなど、沖縄のおいしいおやつタイムが待っています。池村さんの世話好きで明るいお人柄と、光星さんのやさしいお人柄があってこそ、訪れた人は皆満足して喜んで帰っていきます。
池村さんが今取り組みたいと思っているのは、果物の加工品を作って販売すること。マンゴーなどのジャムも池村さんが手作りしています。「うちで作ったのがいちばんおいしいわよ!」と池村さん。
「みんなの役に立つ農園になればいいな」
池村さんは建設業でも色々な資格を取得しています。農業に関すること、食品を作ったり販売したりすることについても県や市で開催する講習などにもまめに参加して知見を深めています。
池村さんは観光農園を福祉に役立てたいという夢があるそうです。障害や難病のある人も一緒に働くことができる、「みんなの役に立つ農園になればいいな」と話します。池村さんの夢がかなって、みんなの役に立つ農園になっている将来の姿が容易に想像できました。
副業とはいえ、こんなにパワフルに色々なことに挑戦している池村さんご夫婦に出会い、筆者は石垣島に親戚ができたようなあったかい気持になり、また必ず訪れたいと心から思いました。
川平観光農園
予約サイトはこちら
https://shimatabi-rito.com/okinawa/plan/detail/191/