不定期でアエル北側にて出店している。メニューは画像の通りたった2つ(2023年12月29日撮影)
2023年が暮れる頃、仙台市中心部仙台駅西口の、オフィスや公共施設や商業施設も入る複合ビル、アエルの北側に屋台営業をしてるキッチンカーが停まっていた。
メニューを見てみると何と、鴨そばと日本酒の2種類しかない。
バラエティに富んだものがもてはやされる令和の時代にしては何とも珍しいシンプルさだ。その店名は「鴨〇(まる)」。
メニューの1つ・日本酒の銘柄を見せる店主の三木さん(2023年12月29日撮影)
目次
大学在学中から板前の道に入った店主
店主の三木俊輝さんは京都府出身で、大学在学中から料理人の道を目指すべく板前として修業を重ねた。しかも、大学を2年休学してまで腕を磨いたという経歴がある。大学卒業後も料理の腕を磨き続けて今に至る。
ひょんなきっかけから来仙
2020年に世界中に新型コロナウイルス感染症の波が襲った。パンデミック発生時からの1年間、三木さんは調理師として東京都の病院で患者さんに対しての食事の提供に携わってきたという。
患者さんとの接し方に対しても苦労したかもしれない。医療従事者並みの役割を果たしたと言ってもいいと思う。
その後、三木さんは日本全国を旅行し、コロナ終息を見据えて地方を食で盛り上げていくことを考えていた。全国を駆け巡る中で「改めて地方の良さを感じた」と三木さん。
ある日、仙台市出身の不動産会社社長さんとの出会いがきっかけで仙台に行くこととなった。そして、2022年春から1年間、三木さんは年配の方々が働き盛りの世代に対して手づくり弁当を提供する「ジーバーFOOD」の責任者として事業に従事した。
筆者が食した鴨そばと日本酒(2023年12月29日撮影)
「日本酒とそば」は季節問わず一年中楽しめる日本の食文化
三木さんは「ジーバーFOOD」との1年間の契約を終え、独立することを考え始めた。やはり、和食中心の料理人として修業を経たために「日本の食文化を伝えるのに何かないのか?」と考えた。その結果、「和食といった日本の食文化をシンプルに伝えたい」と思い、その中でそばを選んだ。
理由としては「日本酒と一緒に季節問わず楽しめること」と三木さんは話した。むろん、そばを含む和食と楽しむ日本酒は美味しく、調和がとれるものだ。
当初は秋保でリノベーション物件を利用し経営を始めようと考えていたが、経済的な理由から屋台(キッチンカー)の出店にてメニューの提供を行うことに方向転換し、2023年秋に始動した。まず、人々の往来が多く立ち寄りやすいためアエル北側でおもてなしをすることを決めた。
現在は、能登半島地震の支援からイベント出店までと幅を広げている。
「将来的には平日は引き続き屋台で、土休日は秋保で運営を行っていきたい」と三木さんは意気込む。
筆者も機会があればもう一度味わいたい、三木さんの将来がますます楽しみになってきたところだ。
アエル北側の出店は不定期であるため、「鴨〇(まる)」の公式インスタグラムにて確認することをお勧めする。また、雨天や荒天(強風含む)で急遽お休みする日もあるので注意してほしい。
情報
鴨〇まる 【屋台手打蕎麦】
https://www.instagram.com/kamomaru_soba
メニューは『鴨せいろ🦆』と『地酒🍶』のみ
📍仙台アエル北側広場
昼 11:00〜なくなり次第終了
夜 17:00〜なくなり次第終了