税関って何するところ?親子で探る貿易のひみつと名建築【兵庫県神戸市】

2 min 10 views

神戸港のすぐそばにたたずむ、赤レンガ造りの重厚な建築。それが、神戸税関である。一般公開されている施設でありながら、観光名所としてはあまり知られていないこの場所には、親子で楽しめる学びと、美しい写真が撮れる建築美が詰まっている。

明治の面影と近代建築の融合

神戸税関の建物は、まさに神戸という街の歴史を象徴するような存在だ。れんが造りと石造りを融合させた荘厳な正面部は、明治時代の洋風建築を思わせつつ、現在の都市景観にも自然に溶け込んでいる。正面玄関前でカメラを構える人々の姿も多く、SNSや写真投稿サイトでも“映えるスポット”として静かに人気が高まりつつある。

特に、団体予約で見学を申し込めば、2階から中庭を見下ろす形での撮影も可能。建築全体を見下ろせるアングルからの写真は、通常の来館では得られない貴重な体験である。

自由研究にぴったりの展示内容

神戸税関の見学エリアには、密輸の実例展示や税関の歴史、仕事の紹介などが並んでいる。税関というと、なじみのない大人の仕事のようにも感じられるが、展示は子どもでも理解できるよう工夫されており、視覚的な資料も多い。

中でも注目は、実際に過去に押収された偽ブランド品や密輸品の実物展示。見慣れたブランド品のコピーや、巧妙に隠された品物の事例は、子どもたちにとって驚きと発見の連続だ。社会科や総合学習で「税」「貿易」「国際ルール」などのテーマを扱う際の自由研究の題材としても最適である。

また、館内には実際の貨物の検査方法やX線機器の紹介もあり、見て・触れて・考えることができる内容になっている。

子どもの好奇心と親の知的欲求を満たす場

展示自体は対話型ではないものの、親子で解説を読みながら進んでいくことで対話が生まれる。例えば、「どうしてこの品は日本に入れてはいけないの?」「税関の人はどんな仕事をしているの?」といった疑問に親が答える時間が、自然と“学びの時間”になる。

学校で一斉に学ぶのではなく、「個別最適化された学び」という視点からも、税関見学は有意義である。子どものペースで、興味を持ったテーマについて深掘りできる環境が整っているのだ。

週末のミニ冒険に

神戸税関は、JR三ノ宮駅からもアクセスが良く、徒歩圏内には「日本一短い国道(https://thelocality.net/kokudou174-saitan/)」やカフェ、デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)など見どころも多数。親子での半日探検コースとして組み込むのにぴったりである。

屋外からでもその美しさが楽しめる神戸税関だが、せっかくなら中に入って、知的好奇心をくすぐる展示を体験してほしい。また、事前に団体見学の予約をしておけば、より広いエリアを案内してもらえるので、学校行事や地域の親子グループでの訪問にも向いている。

神戸税関は、「お勉強の場所」というよりも、家族で楽しめる“知的エンターテインメント”の場である。美しい建築に包まれながら、世界と日本をつなぐしくみを学び、社会へのまなざしを育むひととき。関西在住の子育て世代にこそ、この穴場スポットをぜひ訪れてほしい。きっと帰る頃には、「税関」という言葉が、ぐっと身近なものに変わっているはずだ。

公式情報・アクセス

神戸税関公式サイト:https://www.customs.go.jp/kobe/
所在地:兵庫県神戸市中央区新港町12-1
見学受付:平日・土曜(詳細は公式サイトにて)
団体見学:事前予約制、ガイド付き、2階撮影も可能

阿部宣行

阿部宣行

山形にある探究教室の講師。子どもたちが熱中できることを見つけ、大人顔負けで実践できるように日々活動しています。ローカリティに参加してからの趣味は写真撮影。子どもたちの視野を広げるために記事を書き、写真を撮っていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です