沖縄奄美地方の発酵文化『みき』。個性と多様性の賜物である、神様に捧げる飲み物【沖縄県宮古島市】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催 価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。
この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

みんなの財産お神酒『みき』を県外の方にも伝えたい

『みき』という飲み物をご存じでしょうか。
古くは琉球国由来記にも記されているという高貴な飲み物です。

来間島の『みき』には1CCに2億個の乳酸菌を含むといわれています。
2017年度『にっぽんの宝物宮古島大会敢闘賞』を受賞した来間島の『みき』は健康飲料として、また文化としての『みき』にも注目が増したそうです。

沖縄県宮古島市来間(くりま)島の「NPO法人来間島大学まなびやー」理事、で「来間島みき」を主宰し『みき』の継承活動をする砂川葉子さんは、「もちろん『みき』を知って、飲んでみたいと思ってほしい、そして飲むために来間にも来て欲しい、でもそれだけではない『みき』が神様への捧げもの『お神酒』としての背景があることを伝えていきたい」と『みき』について熱く語ってくれました。

フラッと休暇で訪れた来間にビビッと来た

そんな砂川さんは岐阜県のご出身。
大学を経て就職は東京で。会社員だった頃の長期のお休みを利用して訪れたのがたまたま来間だったそう。宮古島と来間大橋で繋がる人口150人前後の小さな島が近づくにつれ「スキだな、良いな、なんか力が湧いてくるぞ」と、「強力な引力の様なもので引き付けられるようだった」と。その後、島で出会った現在のご主人との結婚を経て現在島で暮らす中、あの引力はお神酒だったのかもと楽しそうに振り返っていました。


「小学校の廃校」問題から、来間島民の「大切なものを守る力」が結束

砂川さんが来間に来て数年後に直面したのが、島のみんなの大切な場所でありコミュニティの中心である来間小学校の統廃合の計画でした。『学校を守ろう』という地域の声の中、島の有志でNPO法人が立ち上げられました。
残念ながら統廃合を止めることはできなかったそうですが、『島のみんなの財産、みんなの宝物を守ろう』という理念はたくさんの方に共有されて、来間の内外の人を巻き込んだ今のNPO法人の形に繋がったのだそうです。


実は奄美・沖縄の島々にもあった『みき』。旅行者のSNS投稿から『みき』の文化背景を改めて知る

来間島の日常の中にあまりにも普通にあった『みき』を、当初砂川さんは来間独特の食や神事の習慣と思っていました。それがたまたま来間に来た旅行者が上げた『みき』のSNSの反響が広がったことで、沖縄はもとより奄美の各島々にもそれぞれに多種多様の『みき』があることを知ったそうです。

豊年祭など、神事でお神酒として考えられている共通点はもちろん、地域によって材料、製法、味などが少しずつ違っているところもまた『みき』の面白さなのだと砂川さんは話します。

来間の『みき』の特長は、山も川もない土地でもできる雑穀等を材料として使っているところ。


「ひとくくりに沖縄と言っても言葉も違えば文化も違う、この地方にはその個性と多様性を認め合う地域性を感じる」と、沖縄地方の『みき』の材料や製法が島の風土によって少しずつ違うけれど、それぞれの島の人々がその文化を守ろうとしたのはとても尊いことだと砂川さんは話してくれました。

そんな砂川さんの「『みき』に出会えて幸せ」だという言葉が心に残ります。

飲み物としてもおいしく健康的な『みき』に注目が集っています


おばあたちが受け継いできた『みき』作りを砂川さんが中心になり伝承しています。

来間の市場には実際に『みき』が飲めるお店があります。
また、『みき』作り講座や、『みき』作りを体験しながら来間島での暮らしを体験するリトリート観光コンテンツもあります。

先の神事としての背景も含んだ『みき』を後世に伝えてゆく継承者コース等も、参加者が増えているそうです。

ぜひ、宮古島を訪れた方はもうひと足、来間大橋を越えて来間島を訪れてみて下さい。そしてまずは市場で、優しい甘さとほんのりとした酸味が優しくしみる島の伝統の味、発酵文化であるお神酒『みき』にふれてみてはいかがでしょうか?

情報

来間島みき
https://www.miki.okinawa/

Instagram
https://www.instagram.com/mikiokinawa.kurimajima/

NPO法人来間島大学まなびやー
https://tokushirou.wixsite.com/kurimajimadaigaku

前田 明子

前田 明子

東京都足立区

第6期ハツレポーター

東京都葛飾区亀有生まれ、満3歳からずっと東京都足立区在住。

本業の集客目的ではじめたツイートで1000日間、100文字3投稿を継続したTwitter継続おばちゃん。合計30万文字の発信から文字で人と繋がる楽しさ発見。現在母の自宅介護中『書くなら自分の時間で出来るよね』とライティングを学ぶ。書く事で共感の輪を拡げます。

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