修学旅行の定番、「まくら投げ」。修学旅行の際、宿泊先の旅館やホテルでまくら投げをした思い出がある方も多いだろう。そのまくら投げが競技化され、全国大会も開催されるスポーツとして注目されている。
今回は栃木県下野市の地域おこし協力隊であり、世界に3人しかいないと言われるまくら投げインストラクターの鈴木祐磨さん(29)に「スポーツまくら投げ」の魅力について伺った。
目次
ユニフォームは浴衣、コートには布団!
「簡単に言うとドッチボールみたいなスポーツです。でも、キャッチはできないんです」と鈴木さんはまくら投げのルールについて説明をしてくれた。鈴木さんによると、スポーツまくら投げは2チームの対戦型。コートは40帖ほどで自チームのコートと相手コートの2つに分かれる。1チーム5名ずつがコートに入り、まくらを投げ合いまくらが当たってしまうと「就寝」となるそうだ。
それぞれのチームに「大将」と呼ばれるリーダーを決められており、「大将」にまくらを当てたチームが勝利となる。ざっくりと話を聞くだけでも厳密なルールが決められ、れっきとしたスポーツだということがわかる。
「設定が修学旅行なので、ユニフォームは浴衣。まくらをガードするために布団も使います。その他にも『先生が来たぞ~』という相手チームのまくらを回収できるルールもあります」と鈴木さんが語る。修学旅行という設定にこだわり、ユニークで遊び心のあるところもスポーツまくら投げの魅力である。
聖地は静岡県伊東温泉、全日本まくら投げ大会開催
スポーツまくら投げのはじまりは静岡県伊東市のまちおこしとして、「まくら投げをスポーツに」という高校生のアイデアだそうだ。2013年から毎年2月に伊東温泉で全日本まくら投げ大会が開催され、地方予選を勝ち抜いた約40チームが全国大会に参加をする。
鈴木さんは東京都や千葉県、栃木県に在住のメンバーから構成されるチーム(らくまっくす)に所属。2023年には全国大会に出場し、見事3位に輝いた。
まくら投げは涙あり笑いありのチームスポーツ!
「もともとは、知人に紹介され興味本位で始めました。最初は自分が活躍することが気持ちよかったのですが、だんだんとチームの大切さを知り、まくら投げにのめりこんでいきました」と鈴木さんはまくら投げにハマったきっかけを話してくれた。
ポジションや戦略があり、チームで戦うスポーツであることから野球やサッカーなどのメジャーなスポーツ同様に熱くなれるスポーツのようだ。「大会の度に泣いている気がします。ホントに熱いスポーツなんです」と鈴木さんは熱を込めて話す。
鈴木さんに今後の展望について聞くと「今、自分が住んでいる栃木県でもまくら投げ人口が増えると良いなと思っています」と話してくれた。鈴木さんは自身が地域おこし協力隊として活動をする下野市でもスポーツまくら投げの体験会を複数回開催している。スポーツとしてのまくら投げが広がるのが楽しみだ。
情報
全日本まくら投げ大会in伊東市
とちぎまくら投げ部