船団丸(せんだんまる)が、鹿野にやってくる……。山口県周南市鹿野(かの)の山に伸びる農道にある「K BASE」で、6月22日・23日に限定開催されたカフェ「SENDANMARU CAFÉ(せんだんまるかふぇ)」の話を聞き、ぜひ行ってみようと思いました。
2010年、山口県萩(はぎ)市で始まった、獲れたての魚を船上で下処理、漁港から消費者のもとへ自家出荷する船団丸の取り組みは、日本テレビで「ファーストペンギン!」としてドラマ化されました。
地元山口県が舞台の物語であり、普段はドラマを見ない自分でも、その名前を知っているドラマのモデルになった企業が、山間の鹿野にやってくる……!
どういう縁が、そこにあって実現したことなのでしょうか。
株式会社GHIBLI(ギブリ)代表取締役であり、「ファーストペンギン!」の主人公のモデルにもなった坪内知佳(つぼうち・ちか)さんに、そのいきさつや、思いをうかがってみました。
「萩市に移住し、15年間、山口県に育てられて今日に至りました」と語る坪内さんは、船団丸だけでなく、規格外パールをブランド化したパールジュエリーや、海や山のスタディーツアーなど、全国を飛び回って事業を展開されています。
そんな坪内さんと鹿野のつながりは、10年前から始まりました。鹿野に友人がおり、その縁からイベントの手伝いなどで鹿野を訪れていた坪内さん。
店をクローズするという友人の話を聞き、店舗の賃貸契約が終了するまでに何かできることをしたい、という思いから、企画を立ち上げてから、なんと3週間でSENDANMARU CAFEの実現に至りました。
「天候や、アクセス条件などを言い訳にせず、人が集まる理由を作りたい。そのために、ドラマ化された知名度も生かして、何かできればと思いました」
開催の当日は雨が降り止まない天候ながら、カフェは大盛況!初日は、10時30分の開店前からたくさんの人が並び、なんと初日分の食材が30分で完売したのだとか。
「急きょ、漁から戻ってきた漁師さんに急いで魚を持ってきてもらい、皆で魚をさばいて、追加してメニューの提供を行いました」という裏話もありました。
会社名のGHIBLIとは、イタリア語で、サハラ砂漠から地中海に向かって吹く熱風のこと。坪内さんや関係者の皆さまの情熱が、鹿野にたくさんの人を招いてくれました!
いまやビジネスとして全国に広がり、ドラマ化されるほどの船団丸。「人が集まる理由を作りたい」という坪内さんの情熱は、たとえ期間限定のイベントであっても多くの人の心も動かし行動させる力があると感じました。
堪能、海の幸
SENDANMARU CAFEのメニューのひとつ「粋粋(いきいき)!船団丸お魚プレート」は、萩でとれたアジ、レンコ鯛、剣先いかなどをふんだんに使った、新鮮な魚が堪能できる逸品です。
皮が香ばしくあぶられた鯛や、とろっとして甘い剣先いか。しょう油をつけるのがもったいないぐらい、具材の新鮮さを堪能することができました。
鹿野のお米を使い、あら出汁(だし) と魚を一緒に炊き込んだご飯も、しっかり味がしみ込んでいます。これだけを、がっつり食べたいぐらい! 魚の出汁をしっかり楽しむことができました。
そんなお魚プレートのなかで、自分のイチオシはアジの塩焼きでした。シンプルに塩で味付けされ、焼き上げられたアジは、かみしめるたびに「じゅわっ」と味を感じることができ、シンプルであるゆえに、口いっぱいに魚の味を感じられますよ。
もうひとつのメニューである「粋粋!船団丸ツナサンド」は、プレートでも提供された新鮮なツナがたっぷり! こめ油と、塩で味付けされたツナを、手軽につまめるポケットサンドで楽しむことができました。
通販サイト、展開中!
船団丸の新鮮な魚を楽しめる粋粋(いきいき)BOXをはじめ、さまざまな事業を展開する株式会社GHIBLI。坪内さんの公式サイトから、展開事業の通販や申し込みをすることができます。
ご興味がある方は、ぜひご覧になってみてくださいね。