凍てつく湖畔に出現する氷の芸術!厳寒の湖で生まれる「しぶき氷」とは?【福島県猪苗代町】

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福島県のシンボル・猪苗代湖は面積約103平方キロメートルと、全国で4番目に広く、かつ、透明度の高い湖である。その湖畔で冬にのみ現れる、まさに自然が生み出した芸術「しぶき氷」は、一見の価値がある驚きの絶景だ。しぶき氷とは海や湖、川などの水しぶきが、水辺にある樹木や岩などの物体に付着して氷結したものだ。厳冬期でも水面が凍らず、絶えず波しぶきが上がり、かつ、その波しぶきがすぐに凍ることが条件とされ、全国的に珍しい現象とされている。

しぶき氷を求めて訪問する観光客も多くなってきた 撮影日:2021年1月23日

猪苗代湖でしぶき氷が見られるのは、最も寒さが厳しい1月中旬から2月中旬の限られた時期。主に猪苗代湖北岸の天神浜から東岸の浜路浜、南側の舘浜にかけて見られるポイントが点在し、それぞれ異なるしぶき氷を楽しむことができる。

天神浜のしぶき氷。天候の回復を待って行ったので既に解け始まっていた 撮影日:2021年1月23日

しぶき氷へと向かう道のりは、冬の自然を五感で楽しめる貴重な体験でもある。林の中を進む雪道には、動物の足跡が残されていることもあり、自然の営みを感じられる瞬間だ。また、前夜に強風が吹いた翌朝、氷点下の中で訪れると、できたばかりの透明な輝くしぶき氷に出会える可能性が高い。

しぶき氷が見られるスポットに続く道に、誰かが雪だるまを作って残していた 撮影日:2021年1月23日

しぶき氷を存分に楽しむためには、防寒対策が欠かせない。ダウンジャケットやスノーブーツはもちろん、凍結した湖岸を歩くためのスパイクもあると安心だ。強風が吹き荒れることもあるため、帽子や耳当て、手袋などもしっかり準備することをおすすめする。自然が生み出す美しい風景は、厳しい寒さの中でこそ輝きを増す。冬しか見られないこの貴重な景色を、ぜひ猪苗代湖で体感してみてほしい。

昆愛

昆愛

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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