「すべての人がありのままの自分でいられる居場所づくりをめざして」異世代交流子育てサロンas isがつくる、地域の輪【山口県周南市】

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岡崎さん(左)と数井さん(右)

「鹿野(かの)には地域の人が集まることができる場所が少ないね、みんなが集まる場所を作りたいね……そんな思いを語り合ううちに意気投合して始めた活動です」

山口県周南市鹿野(かの)で、異世代交流子育てサロン「as is(アズ イズ)」を運営する岡﨑麻衣(おかざき・まい)さんと、数井由紀(かずい・ゆき)さん。

市の研修会に参加したことがきっかけでお互いの思いを語り合い、2019年にas isを結成した2人。

「~ありのまま・そのままの・飾らない~私たちは、すべての人がありのままの自分でいられる居場所づくりを目指しています!」を基本理念に、さまざまな活動を続けています。

看護師をはじめとした多数の資格を持ち、明るい笑顔でエネルギッシュに活動する岡﨑さんと、キッチンカーを運営し、穏やかで癒やされる雰囲気の数井さん。そんな2人が、鹿野に「地域の輪」を広げています。それらに込められた思いと活動をご紹介します。

地域みんなが大家族に ふらっと食堂

「誰もがふらっとやってきて、フラットな立場でいることのできる、地域のみんなが大家族のようになれる、そんな場所になればと思います」

そんな思いで名付けられた「ふらっと食堂」は、テイクアウト方式で食事を提供する地域食堂。新型コロナウイルスがまん延する時期にも、三密を避けるこの方式を採用して続けられてきました。

現在は居場所づくりや交流も再開。家で待つ家族や、気になる方のために、テイクアウトも引き続き行っています。孤食になりがちな方は、会場に出向くとみんなで食事をとることもできますよ。

会場では、顔見知りの来場者が談笑したり、元気いっぱいの小学生たちが走り回ったり。「ふらっと食堂」は、2人のママ友や、ボランティアが参加し、運営を支えています。

地域の人が食事を作り、地域の人が、会場にやって来て笑顔で交わり、温かい食事を食べる……まさに、地域がひとつの家族のようにつながることができる、そんな空間が「ふらっと食堂」です。

鹿野の良さを発見する機会に KANOかくれがマルシェ

3月~11月に毎月実施している「KANOかくれがマルシェ」も、鹿野に欠かせない活動になっています。

イベントで人が集まることには不安がつきまとうコロナ禍の中、どうすれば皆に楽しんでもらえるかと考えた結果、会場を分散して実施する形式をとり、21年7月に第1回目が開催されました。

自動車が必須な、広域にわたる各会場で開催されるため、イベントにやって来れば、必然的に自動車で鹿野の中を移動する時間が生まれます。移動時間には、鹿野の自然を満喫してほしい……そんな思いが込められての分散会場。

「鹿野のあちこちを巡ることで、鹿野の良さを発見する機会にしてほしい」と語る2人の思いは、6カ所・7団体で実施した第1回から始まり、24年9月15日に迎えた第28回には12カ所・約40団体で実施するまでなり、たくさんの人がその思いに共鳴し、会場に訪れるイベントになっています。

地域みんなで、大きな輪を

地域の団体と一緒に、イベントを企画することもあります。

昼間にKANOかくれがマルシェを開催し、そのまま夜に開催される別のイベントまで人が滞留するようにしたり、地域団体が管理する廃校舎をマルシェ会場のひとつとして使い、そこにたくさんの出店者を集め、普段入ることのできない校舎にたくさんの人を招いたり。

2024年7月7日には行政や地域団体とコラボし「七夕フェスタ」を開催しました。竹細工や読み聞かせ、服の譲渡会をはじめ、行政の施策紹介コーナー、自衛隊ブースなどが設置され、子どもたちだけでなく、大人も楽しむことのできるイベントになりました。

ひとつの団体だけでは、内容が多岐にわたり難しいことも、いくつもの団体が一緒になって協力することで、地域の大きな輪ができていくことを感じました。

地域の輪が広がるまち、鹿野の魅力とは

こうした活動が評価され、2022年3月3日、生活協同組合コープやまぐちが主催する、女性が中心になりボランティア活動などに取り組む団体を表彰する「コープやまぐち女性いきいき大賞」で、優秀賞にあたる山口新聞社賞を受賞された2人。

結婚を機に鹿野にやって来た岡﨑さんと、鹿野で生まれ育った数井さん。

「水や空気、たくさんの自然がある鹿野は良いことばかり。田んぼの中で遊んだり、川で遊んだり。そんなことも、鹿野だからできることです」と語る岡﨑さんと、「子育てするには良い地域なのかな」と語る数井さん。

そんな魅力ある鹿野の地で、全ての人が飾らず、ありのままに過ごせる時間と、笑顔のために活動しているという2人の活動は、鹿野に関わるたくさんの人たちを巻き込み、鹿野を盛り上げています。

人口約2,500人の小さなまちの中に、たくさんの輪を広げていくas isの活動。心からエールを送りたいと思います!

亀谷忠史

亀谷忠史

山口県周南市

第7期ハツレポーター

仕事の傍ら、”鹿野にエールを”をスローガンに、山口県周南市鹿野地域を広報活動で応援する「まちづくり応援団えーる」として活動中。執筆・写真・動画など、さまざまな方法で情報発信し、鹿野を知ってもらう活動をしています。余暇には食べ歩きをしたり、写真を撮ったり、猫を愛でたり、気ままに生きています。

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