これまで誰も手を付けなかった「近隣トラブル」で困っている人の支えになる事業を創出し、6万件ものトラブルを収束させてきた「株式会社ヴァンガードスミス」。代表取締役田中慶太さんは刑事事件にはならないけれど、困っている人たちを助けたいという思いから、警察官を辞めて起業しました。警察官であった田中さんが起業した背景や困っている人たちを救うために実現したい社会、「究極の防犯」へのチャレンジについてお伺いしました。
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実害がない困っている人を救えない現実に直面。元警察官が事業会社を立ち上げ、実現したい社会とは?
株式会社ヴァンガードスミスは、「事件未満の近隣トラブル」を収束に向かわせるサービスを提供する会社として2015年に創業しました。
創業前、田中さんは元警察官。フジテレビ系列で放送され人気を博した刑事ドラマ「踊る大捜査線」の織田裕二が演じる青島俊作に憧れて、犯罪や事件の被害者に寄り添いたいと
という思いで警察官を志したそうです。
警察官になり交番業務を担当する中、交番に相談に来たけれど、実害がなければ警察官としてできることがないために対応ができず、お帰りいただかなければならないという場面を何度も目の当たりにしました。
事件としての実害が生じていない場合は、警察は様子を見ることしができないという現実に直面した田中さんは、「これは青島巡査じゃない、事件になっていないけれど、困っている人を助けたい」という思いに駆られ、退職。一度は警察行政の中でキャリア官僚に路線を変更し、防犯に特化し寄り添う制度設計も目指すことも考えましたが、ベンチャー企業で経験を積む中、事業を通じて困っている人を助ける方が、田中さんが理想とする「被害者を生まない」社会を実現できる可能性が高いのではないかと考え、起業しました。
事件未満のトラブルを「感情」を静めることで収束させ、困っている人の普通の生活を取り戻す
ヴァンガードスミスが展開する「近隣トラブル解決支援サービス」は、これまで誰にも相談することができなかった「事件未満のトラブル」の相談に乗り、早期に収束へ向かわせるサービスです。「交番に相談する前に我々が相談に乗り収束させることで、事件にならず被害者を生まないで済む」といいます。
創業9年目を迎えるヴァンガードスミスは、、6万件以上のトラブルを収束させてきました。。「トラブルが収束し、少しでも早く相談者が普通の生活に戻るということが最大の価値です。間に入ってお互いの話しを聞き、感情を沈め、トラブルを早期に解決するお手伝いをしています」」と田中さん。
一番多い相談は「騒音」に関するトラブルです。例えば、マンションで上の階に住む家族の子どもの足音がうるさいという相談を受けたときには、相手方にも話しを聞きます。そこで、相手の母親が防音マットを引いて対策をしていて、うるさくしてしまっていることを気にしており申し訳ないと話していたなどの事実を伝えると、高ぶっていた被害者感情が落ち着き、不思議と騒音が気にならなくといった事例があるそうです。
これが相談するところがなくて、相談者が我慢し続けていたら、被害者感情が膨らみ、相手のことを許せなくなってしまい、事件にいたるというケースに発展してしまいかねません。
日本中のトラブルをプロ集団で収束へ。身辺警護の「究極の防犯」
ヴァンガードスミスでは現場経験のある元警察官が相談員をしています。警察学校での厳しい訓練を受け、法律に基づいた行動でミッションを遂行してきた人たちです。「困っている人を助ける」という思いを持ち、トラブル収束のプロとしての対応をしています。
「現在は、不動産業界に向けたサービスが主体となっていますが、今後は身辺警備サービスも展開していきたいと考えています」と田中さん。
一般の人が警備を受けることはハードルが高いのですが、本当に危ないと思っているときに身辺警備をして危険に晒されないようにするという「究極の防犯」を提供したいと展望を語りました。日本中のトラブルを収束に向かわせるため、ヴァンガードスミスは挑戦を続けます続けます。