全国に桜並木は無数にあると思いますが、総延長20キロにおよぶ並木となると、そうそうどこにでもあるものではないのではと思います。

兵庫県丹波篠山(ささやま)市にある筆者宅から少し山を登ったあたりにある水源地から流れ出す二級河川・武庫(むこ)川は、三田(さんだ)市、宝塚市、西宮市と尼崎市の市境を経て大阪湾へと流れる延長65.7キロの川です。

桜並木が武庫川の堤防に並び始めるのは、筆者宅から最寄り駅に向かう途中の川沿いの歩道
のところからで、川幅が急に広くなる当野(とうの)という集落から先は川の両側に大きな木が立ち並び、それは壮観な景色となります。

そこから隣町である三田市の市役所のところまで、約20キロの並木が続きます。
その桜並木は、兵庫県県土整備部(整備当時は土木部)が「ふるさと桜づつみ回廊」という事業で、地元住民とともに1991年から約10年がかりで、瀬戸内海から日本海まで(武庫川〜篠山川〜加古川上流〜円山川)約170km(約5万本)の桜を植樹したものの一部です。

こちら丹波篠山市域の桜並木では特に、花見客をほとんど見かけることもないので、都市部と違い場所取りで右往左往する心配もなく好きなだけのびのびと寝転がってお花見が楽しめます。

それにしても、日本では川沿いとなるとなぜこれほどに桜並木が多いのでしょうか。
一説によると、桜並木を堤防に植えると、毎年多くの花見客の来訪が期待できるので、それらの人々が堤防を踏み固めると丈夫になるという理由からだそうです。

丹波篠山市当野地区の桜並木の周辺に駐車スペースはありませんので、最寄りのJR宝塚線・古市駅から徒歩15分ほどですので、散歩がてら歩いて訪れることをお勧めします。
参考文献
兵庫県/武庫川の概要:
https://web.pref.hyogo.lg.jp/hnk09/hn04_1_000000140.html
丹波桜づつみ回廊/丹波篠山市公式観光サイト
桜並木 川沿いに多いのはなぜ?(NHK動画解説):https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250403/k10014768571000.html