樹齢630余年の大藤が今年も咲いた【福岡県八女市】

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八女市黒木町素盞嗚(すさのお)神社境内には、国指定の天然記念物であり、樹齢630年余の藤「黒木の大藤」があります。今年2025年の見頃は4月26日まででしたが、盛りを過ぎてもなお、人々の心をつかんでいるようで、多くの方が写真に収めていました。

素盞嗚神社

「黒木の大藤」は、1395年、後征西将軍良成親王のお手植えと伝えられています。日本史上の1395年といえば、1392年に足利3代将軍足利義満が南北両朝の合体を実現させ、室町幕府の全国支配が完成されたといわれている頃です。

室町幕府は「花の御所」ともうたわれて、その邸宅には名花や名木が集められたと伝わっています。その影響が八女市に藤を植えるきっかけになったのかも?と想像する日本史のおもしろさがあります。

室町時代からこの藤がみゃくみゃくと受け継がれたと思うと、時代を超えても地域の方に愛されているのだと感じました。

「わ、いい香り」風に乗ってただよう国指定天然記念物「黒木の大藤」の香り

「わ、いい香り」

これが最初に思ったことでした。神社境内に近づくにつれて、目の前に藤がないのに、風に乗ってただよってくる藤の香りがとても印象的でした。

藤棚の下に潜り込み、空を見上げると、ツタと藤の花が紫色のカーテンのように視界を覆います。

藤の香りに誘われて、ハチや虫がその蜜を求めていました。

地元に愛される大藤

黒木大藤愛藤会の方々が、フジの気持ちをつづったお手製の説明紙からも、その愛が伝わってきます。

藤や植物たちはカレンダーを持っておらず、誰かに教わってもいないのに咲くすごさ、当たり前のようには咲かない、というところに自然の偉大さに驚かされました。

垂れ下がる房が長いので、こんな目の前で撮影することができました。

*房には触れないよう注意

また、そのツタぶりからは、藤が光を求めて成長していく様子は、自然そのものの生きていくエネルギーを感じました。

ツタがくるっと回っているのも、かわいらしかったです。

帰り道に気づきましたが、周辺の歩行者道路には、「くろぎ大藤」と書かれたレリーフが埋め込まれていました。観に行った時はどこにあるのか、探してみてくださいね。

*写真は全て筆者撮影

情報 

https://www.townkurogi-ta.jp/topics/2025/2025_04/tpc_202504110427.htmlより抜粋

「黒木の大藤」
会場:素盞嗚神社境内
住所:福岡県八女市黒木町黒木5-2
藤棚面積:約3,000㎡(東西約50m/南北約80m)
植栽:1395年(応永2年)後征西将軍良成親王により植栽
指定:国指定天然記念物 1928(昭和3)年1月31日
市花指定:(藤)2010(平成22)年2月1日

久田一彰

久田一彰

福岡県福岡市出身。
取材を通じて、そこにあるヒト・モノの魅力・ストーリーをお伝えします。

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