牛競り食堂の「壱岐牛肉うどん」!地産地消の最先端を体験【長崎県壱岐市】

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ブランド牛「壱岐牛」で知られる壱岐市の競りは2カ

月に一度、JA壱岐市の家畜市場で開催される。市内各地から集まった牛たちが2日間かけて競りにかけられ、生産者にとってはまさに勝負の場だ。競りは丸一日かけて行われることが多く、その間、市場の食堂は大盛況となる。人気No.1メニューは、もちろん壱岐牛を使った「肉うどん」。熱々の一杯は、まさに“究極の地産地消”を体験できる逸品だ。

仕事終わりの牛飼いに沁みる熱々の肉うどんとおにぎり

子牛の競りでは1日に約300頭ほどが出荷されるが、その順番はランダムでどの番号から始まるかが当日のくじで決まる。競りは休みなく続くため、昼食の時間も運に左右される。終盤の番号になれば、昼食が午後2時や3時になることも珍しくない。牛を売り終え、はらぺこの牛飼いたちが仕事終わりに向かう先は大抵、食堂である。扉を開けると空調のきいた室内に何とも言えないおいしい匂いが漂っている。壱岐牛カレーなど他のメニューにも心ひかれるが、やはり王道はスペシャルうどん。壱岐牛の脂がたっぷりと染み出した背徳グルメは、牛を運んで疲れた体にこそ染みるごほうびである。ここでは若手の牛飼いだけでなく、お年寄りもガツガツ食べる。食堂の壁に設置された牛の競り値がリアルタイムでわかる電光掲示板にみんなで目を凝らしながら、恐るべきスピードで麺をすする光景はここでしか見ることができない。そんなカオスな状況もまた、他の食堂とは違ったおもしろさなのだろう。

これだけじゃない!本気の地産地消計画はほかにも…

食堂内ではお得な価格で壱岐牛が販売されていて、さらなる壱岐牛の消費を促す工夫が見られる。それだけでなく、生産者には出荷した頭数分の壱岐牛の引換券が配られ、牛を育てた本人も自ら壱岐牛を味わえるようになっている。もはや執念ともいえるこれらの消費拡大計画のうえに壱岐の農業を支える壱岐牛が成り立っているということを改めて感じた。地域の身近な食べ物を購入することが、実はその地域の産業に貢献することにもつながっている。ぜひ、一度体験してみてほしい。

※写真は2025年8月1日筆者撮影

田口怜奈

田口怜奈

第8期ハツレポーター/長崎県在住のしまの高校生、6年前に大阪から壱岐島に移住。

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