
今年の桃の節句も過ぎ、ひな人形を片付けながらふと思った。
最近のひな人形は、以前よりもコンパクトになっている気がする。
店頭でもよく見かけるのは、ショーケースに収まった小ぶりなひな飾り。
デザインもインテリアになじむものが増え、リビングの棚やテレビ台の上に飾れるタイプが主流になっているように感じる。
ひな人形も、住まいの変化とともに少しずつ姿を変えているのかもしれない。
目次
主流になりつつある“コンパクトびな”
最近のひな人形売り場を見ていると、ショーケース入りのコンパクトなひな飾りが目立つ。
ケースに入っているため飾りやすく、ほこりも防げる。
サイズも小さく、限られたスペースでも置きやすいのが特徴だ。
さらに、デザインも変化している。
木目調や淡い色合いなど、家具やインテリアに溶け込むようなひな飾りも多く見られるようになった。
ひな人形は「飾るもの」から、暮らしの中に自然と置くものへと変わりつつあるのかもしれない。
時代の変化とひな飾り
現代の住宅は、以前よりコンパクトでシンプルな間取りが増えている。
広い和室のある家は少なくなり、リビング中心の住まいが主流になった。
そうした住環境の変化の中で、大きなひな飾りを広げるよりも、限られたスペースで楽しめるひな人形が選ばれるようになったのではないだろうか。
流山市にある山田人形店代表の山田吉徳さんに現在のひな人形事情を電話で伺った。
山田さんによると、コンパクトサイズのひな人形は以前から増えつつあったが、10年ほど前から特に増え始めたという。
背景にはインターネット販売の広がりもあるそうだ。山田人形店では、もともとコンパクトな衣裳着人形を主力に制作してきたが、7〜8年前からインターネット販売業者との取り引きが始まり、売り上げが伸びているという。
また住宅事情の変化も影響しているといい、「大きな段飾りよりも、飾りやすく収納しやすいコンパクトなタイプを選ぶ家庭が増えているのではないか」と話していた。
最近はびょうぶを現代風のデザインにしたり、人形の顔立ちも現代的にしたりと、若い人にも受け入れられやすいインテリアになじむひな人形も増えているそうだ。
我が家もショーケースびな

我が家もマンション住まいのため、選んだのはショーケースタイプのひな人形だった。
リビングに置けるサイズで、飾る場所にも困らない。
ケースに入っているので手入れもしやすく、気軽に飾れるのも魅力だ。
さらに、ひな人形の横には娘の名前入りの旗も飾っている。
小さな飾りではあるが、名前が入ることで特別感が生まれ、華やかさもぐっと増す。
コンパクトでも、桃の節句の雰囲気はしっかり感じられる。
時代とともに変わるおひなさま事情
そういえば、私の子どもの頃のひな人形は三段飾りだった。
段の上に並ぶ人形たちを眺めるのが楽しみだった記憶がある。
そのひな人形は、成人してから飾る機会が減ったこともあり、供養をして手放した。
自分に子どもが生まれるタイミングで、世代交代の意味も込めて、娘には新しいひな人形を迎え入れた。
ひな人形の形は、時代とともに変わってきた。家庭の住まいや暮らし方に合わせて、飾り方も少しずつ変化している。
それでも、子どもの健やかな成長を願う気持ちは変わらない。
ひな人形がコンパクトになったのは、文化が縮んだからではない。時代や暮らしに合わせて、桃の節句の形が少しずつ変わっているだけだ。
三段飾りでも、ショーケースびなでも。
家族で節句を祝う時間は、これからも変わらず続いていく。





