「自分たちが楽しければ、巻き込まれる人も盛り上がる」秋ノ宮で見つけた地域づくりの原点【秋田県湯沢市】

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2026年2月22日、秋田県秋ノ宮地区で行われた「秋ノ宮雪っこまつり」に参加しました。快晴の空の下、雄勝スポーツセンター、旧秋ノ宮小学校の真っ白なグラウンドの上では、子どもから大人までたくさんの人が集まり、自然と関わり合っています。この地域のにぎわいはどこから来るのでしょうか。

私は今回、雪っこまつりに協力し参加しているメンバーに、この地域のにぎわいを生み出している秘訣(ひけつ)を聞きたいと思いました。株式会社KAMUROで、農業に携わりながら地域づくりにも積極的に取り組む株式会社KAMUROの取締役、小野塚真美さんにお話を伺うことができました。

「暗いニュースばかり」から始まった地域づくり

▲小野塚真美さん

現在秋田県は、どの地域も過疎化や少子高齢化が進み続けています。秋ノ宮地区も例外ではありません。かつては学区内に3つの小学校があり人が多く集まる大きな地域でしたが、現在は学校の統合が行われています。

そんななか、株式会社KAMUROは、人間味や自然味にあふれたこの地域を未来につなぐべく、食糧やエネルギー、そして福祉の確立を実行する「地域のこし」企業として2022年に立ち上がりました。農業経営や飲食サービス、福祉や介護をテーマにしたイベントの企画・開催など多岐にわたって活動しています。

加えて、新型コロナウイルスの影響で、人が集まる機会が無くなり、「もうみんなで集まるのは、なくしてもいいのではないか」という声も多く上がった中で、小野塚さんは、「そんな暗いニュースばかりの秋田県だが、それではダメ、自分たちで地域を面白くしていこう」と2024年12月、地域の若者たちとともに地域団体『AsoV!va秋ノ宮』を立ち上げ、活動を始めたと話します。

高齢化が著しい中でも、小野塚さんのような若い年代の人たちが、秋ノ宮のたくさんの人たちを巻き込み始めたことが地域づくりの一歩になったのです。

「まずは自分たちが楽しむ」が地域づくりの原点

小野塚さんに話を伺うなかで、「自分が楽しむことが大前提」といった言葉が何度も出てきました。地域づくりというと、「頑張ること」だと思っていた私にとって、この言葉はすごく印象的でした。小野塚さんは、「みんな、人が集まれば楽しいことはわかっている。だからこそ、自分が楽しんでいないとね」と話します。その背景には、「イベントや事業をするなかで、やってあげてる感、やらなきゃいけない感でやっても、参加者は楽しめない。自分が楽しいことに周りを巻き込んでいく運営は、企画段階から盛り上がる」という小野塚さんの考えがありました。

地域づくりは、「頑張ること」ではなくて、「自分が楽しいこと」。この考え方を持ち、周りを巻き込んでいくことが、雪っこまつりで感じたようなにぎわいのある地域づくりの原点になるのだと感じました。

「第2、第3の故郷」になる場所へ

最後に、私は小野塚さんにこの活動をしている中で、印象深かったことを伺いました。小野塚さんは、「年配の人たちが久しぶりに子どもたちの顔を見ることができ、にぎわいを作れること」と話してくださいました。

実際に雪っこまつりでは、様々な年代の人たちが、ゲームをしたり、話をしたりと、楽しそうに関わり合っていました。

また、この祭りには、筆者を含め、秋ノ宮出身ではない学生も参加していました。そのなかには、何度も秋ノ宮地区に足を運ぶ学生もいます。そのような人たちにも小野塚さんは、「第2、第3の故郷のような、いつでも遊びに来れる場所になってほしい」と言っていました。

実際に、何度も秋ノ宮に足を運ぶ学生にも話を聞いてみると、「秋ノ宮の方々は、いつも本当に暖かく迎えてくれる。自分たちが楽しみながら色んなことに取り組んでいる姿に心を打たれてる」と話していました。小野塚さんが大切にしている「自分が楽しむこと」が伝わっているからこそ、何度も足を運ぶのでしょう。

今回の雪っこまつりにボランティアとして秋ノ宮を訪れていた大学生の一條花さんと小野塚さん

私自身も、今回秋ノ宮地区に初めて訪れましたが、暖かく迎え入れてくれたことももちろんですが、様々な年代の人たちが話しあい、助けあって雪っこまつりを作り上げている姿に、過疎化が進む秋田県での希望が見えた気がしました。「楽しむこと」から始まった地域づくりは、人と人をつなぎ、いつのまにか誰かの故郷になっているのかもしれないと感じました。

雪っこまつり後、筆者も参加したAsoV!va秋ノ宮主催の「そなキャン」で、クラムチャウダーをふるまう真美さん

※写真は全てAsoVv!va秋ノ宮提供

斎藤日菜子さんの投稿

情報

株式会社KAMURO
HP:https://yakunai-kamuro.com/

NPO法人こまちハート・オブ・ゴールド × ローカリティ! in 湯沢秋ノ宮

NPO法人こまちハート・オブ・ゴールド × ローカリティ! in 湯沢秋ノ宮

このプロジェクトでは、NPO法人こまちハート・オブ・ゴールドが、地域活性化に向けた事業連携の一環として、「ローカリティ!」とともに湯沢市秋ノ宮地区でワークショップを実施しました。
参加したメンバーたちは、地域の人々と出会い、イベントや地域の宝、人々の日々の営みを取材し、それぞれの記事を制作しました。その土地に何かしらの想いを持ったとき、そこは自分にとって大切なふるさとになります。参加者のフレッシュな視点で綴られた、価値が共感として広がっていく記事をご紹介します。

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