
秋田県と宮城県を結ぶ位置にある秋ノ宮地区。山岳信仰や温泉地として古くから歴史のある地区ですが、栄華も長くは続かないもので、少子高齢化などの社会問題に直面しています。そこでその解決につながる糸口として、2024年12月に若者グループ「AsoV!va秋ノ宮」が産声を上げました。代表の佐藤孝昭(さとう・たかあき)さんが大切にしているのは、形にとらわれない自由な発想と、偶然の出会いを楽しみながら一歩踏み出す軽やかさでした。
目次
まずは「やってみる」から始まったAsoV!va秋ノ宮
秋田県湯沢市の秋ノ宮地区で、若者が主役の場づくりを目指して活動を始めた「AsoV!va秋ノ宮」について、代表の佐藤さんに現在の活動や地域への思いについて話を聞きました。今取り組んでいる事業について伺うと、「実は、決まった事業はまだないんです」と、意外な答えが返ってきました。
特定の形にこだわらず、まずは地域の先輩団体の活動を手伝うことから始めるというその姿勢は、非常に柔軟です。「話し合ってばかりで動かないのはもったいない。始めてから話し合う方が、きっと意味のある時間になるから」と、語る佐藤さん。その言葉には、理屈よりもまず「やってみる」ことを楽しむ、前向きなエネルギーに満ちていました。

「楽しく、真面目に」将来の期待が膨らむ活動空間
そんな「AsoV!va秋ノ宮」の初めての活動が、2026年2月22日に行われた防災キャンプ「そなキャン」でした。もしもに備えた防災食や避難所での宿泊体験で、訓練ではないため、楽しく準備をしたり、秋ノ宮の課題や取り組みについて話しを深めたりなど、濃密な時間が過ごせました。防災や地域振興と聞いてて想像するような堅苦しいものではなく、楽しく、真面目に、何気ない一言から将来への期待が膨らむあたたかい空間が、そこにはありました。

どんな海産物よりおいしく感じたコンビニ弁当が原動力
佐藤さんの考え方の根底にあるのは、かつて行った日本一周自転車旅での経験です。北海道で疲れ果てていた時に地元の方におごってもらったコンビニ弁当は、どんな海産物よりもおいしかった。その時感じた温かな真心が、何よりの思い出だと言います。「次は自分が、誰かに何かを与えられるようになりたい」という思いが、今の活動の原動力になっています。
「やりたいことは、すぐにやった方がいい。なるようにしかならないから」。
佐藤さんは、そう笑って話します。

佐藤さんのこの言葉は、未来への期待を力みに変えず、しなやかに受け止める優しさにあふれていました。やってみることで、人とのつながりが生まれ、結果がついてくる。そんな佐藤さんの軽やかな一歩が、秋ノ宮という地に新しい風を吹き込んでいます。

※写真・動画はすべてAsoV!va秋ノ宮提供
笹森恵太さんの投稿





