ローカリティ!時代の開拓者たち

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“ナノレベル”の精密さでお客さまの課題に向き合う。世界の産業の未来を切り開く放電加工機の先駆者【神奈川県横浜市】

3 min
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2026年に設立50年を迎えた株式会社ソディック。これまで精密加工技術を軸に、製造業の高度化を支えてきました。放電加工機をはじめ、世にないものを多くつくりだしてきた同社の技術は、スマートフォンや医療機器、航空分野に至るまで幅広い産業に組み込まれています。代表取締役CEO 社長執行役員の圷祐次(あくつ ゆうじ)さんは、約30年にわたる海外勤務経験を背景に、技術の価値を「製品」ではなく「産業の基盤」として捉えてきました。なぜ技術に向き合い続けるのか。その意思決定の根底にある思考と、産業の未来を支える強い決意についてひもときます。

「目に見えないナノレベル」世界のものづくりを支える放電加工技術

ソディックは、NC放電加工機メーカーとして世界のものづくりを支える企業です。

「放電加工機」という言葉は一般にはあまり聞き慣れないかもしれません。これは、プラスチック製品や金属部品を大量生産する際に欠かせない「金型」を、高精度で加工するための機械です。

金型とは、上下の型を合わせ、その中に樹脂や金属を流し込むことで、たくさんの同じ形の製品をつくるための金属製の型枠のこと。スマートフォンや自動車、医療機器など、私たちの身の回りにある多くの製品は、この金型によって作られています。

その金型をミクロン単位で加工するために必要なのが、放電加工技術です。

「スマートフォンに使われる部品などは、目に見えないほど小さく、どんどん精密になっています。その精度を実現するために、さらに精密な加工機械が必要になるんです」と圷さんは話します。

ソディックは、“製品をつくる機械”ではなく、“超精密な製品を生み出すための基盤”を支えているのです。「ソディックの特徴は精密さである」という圷さん。これは50年にもわたってお客さまと共に成長してきた証でもあります。

リニアモータ駆動 微細穴放電加工機「K3BL」
オールセラミック製 リニアモータ駆動超精密ワイヤ放電加工機「EXC100L+」
V-LINE® 高付加価値製品用高応答 射出成形機「LP20EH4」

お客さまに向き合う姿勢を軸に。グローバルカンパニーとしての成長

ソディックの製品は、「10年使っても精度が変わらない」という独自の技術を強みとしています。これは単なる性能の高さではなく、長期的な価値提供を前提とした思想の表れです。「売って終わりではない」という姿勢は、顧客との関係を一過性の取引ではなく、継続的な信頼を生み出してきました。

これまで、顧客との試行錯誤や失敗の積み重ねの中で製品が磨かれてきました。圷さんは「うちだけでできるものではない。お客様とのキャッチボールの中で完成していく」と話します。

現在ソディックは67の国と地域に展開し、国や産業ごとの異なるニーズに対応しています。

圷さんはこれまでソディックのグローバル展開の最前線に立ってきました。入社してから4年後には、アメリカ現地法人に出向し、約30年にわたりアメリカでキャリアを積み、現地ではエンジニアリング部隊を率いながら、顧客開拓にも携わってきました。「思考回路はアメリカ」と圷さんが話すように、常に世界基準で物事を捉える姿勢は、現在のソディックのグローバルカンパニーとしての経営に大きく影響しています。

また、ソディックはグローバル展開においてもお客さまに向き合い続ける姿勢が強みとなっています。

航空・宇宙、自動車、エネルギー、医療など多岐にわたる分野が中心のアメリカ、生産性向上が求められる中国など、国や産業によって求められる価値は異なります。その中でソディックは、それぞれの市場に適した価値提供を行ってきました。

お客さまの要望に真摯(しんし)に向き合い、産業や地域ごとに技術の役割を柔軟に変えていく対応力こそが、世界へと事業を広げてきたソディックの強みでもあります。

産業の進化を支える決意

設立50周年を機に、ソディックはパーパス・ミッション・ビジョン・バリューを策定しました。パーパスは「創造力とイノベーションでモノづくりの未来を切り拓く」。

また、ミッションには「お客様の課題に共に取り組み、新たな付加価値を生み出す」という言葉も掲げられています。

背景にあるのは、AIの台頭やデータセンターの拡大など、ものづくりに求められる技術や役割も変わり始めていることです。

そうした社会の変化は、お客さまから求められる技術や精度の変化として現れています。

ソディックの技術は「超精密な製品を生み出すための基盤」として、さらに重要性を増しています。圷さんは、技術の役割について「社会の変化に応えるための手段」だと位置づけます。つまり、製品単体の価値ではなく、産業全体を支える存在になることが求められているという考えです。

「これまでの50年の延長では足りない」

圷さんは、今後技術の進化だけでなく、その使われ方や社会との関係性も変わっていくなかで、企業の役割そのものが問われているといいます。

技術は単独では社会を変えません。技術をどう使い、どのような価値として社会に実装するのか。その意思があって初めて、産業は進化していきます。

ソディックが目指すのは、「世界のものづくりインフラ」としての存在です。

圷さんの視点は、お客様に向き合って培ってきた技術を基点にしながらも、その先にある社会のあり方を見据えています。

「創造力とイノベーションでモノづくりの未来を切り拓く」そして「お客様の課題に共に取り組み、新たな付加価値を生み出す」という言葉には、ソディックが歩んできた姿勢そのもの、そして未来が表れています。

ソディックの挑戦は、ものづくりの枠を越え、産業の未来そのものに向き合うことでもあります。

※写真はすべて株式会社ソディック様より提供いただいたものです。

聞き手:ローカリティ!副編集長 丸山夏名美、書き手:ローカリティ!編集部 田口有香

印象に残った言葉
「うちだけでできるものではない。お客さまとのキャッチボールの中で完成していく」

会社情報

会社名:株式会社ソディック
取材対象者:代表取締役 CEO 社長執行役員  圷 祐次 氏
所在地:〒224-8522 神奈川県横浜市都筑区仲町台3-12-1(本社/技術・研修センター)
設立:1976年8月
URL:https://www.sodick.co.jp/

PURPOSE
創造力とイノベーションでモノづくりの未来を切り拓く
MISSION
お客様の課題に共に取り組み、新たな付加価値を生み出す
VISION
全てのモノづくりの現場と共に歩み続けるパートナーになる
VALUE
私たちの DNA に刻まれた創造力・実行力・困難を乗り越える力を原動力に、誠実に挑戦を続ける

田口有香

田口有香

第4期ハツレポーター/ライター兼農家の嫁であり、3人の子どもの母。生まれ育った大阪から壱岐島に家族で移住。
壱岐島は長崎県の離島ですが、福岡から高速船で65分という抜群のアクセス!!海がきれいなのはもちろん、お魚もお肉も野菜も米も焼酎もそろっておりグルメも自慢できます。

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