〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
北海道十勝平野。パッチワークのようなどこまでも広がる畑、牧場で草を食む牛たち…。昔から畑作や酪農が盛んで日本の食糧供給基地とも呼ばれる十勝地方に生まれた「株式会社ディームファクトリー」は、2007年の創業当初は“十勝の恵み”を全国に送る、産直ギフトを取り扱う企業でした。
「40年近く前、“産直”という考え方が世の中に出始めた頃に産直ギフトを取り扱う会社にいまして、その後独立しました。直接お客様に販売するのではなく、百貨店や通販サイトなどに商品を掲載して、仕入れて送るという業態です」
そう語るのは代表取締役・石野本司(いしの・もとし)さんです。そんな石野さんが産直ギフトを取り扱う傍ら、アイスクリームの製造を始めたのは10年前。
「アイスクリームはもともと仕入れて販売していましたが、これまでの経験から年間通して売れる商品だということがわかってきました。それならば、自社で商品化しようと。また、せっかく十勝で営業していますので、地元の美味しい素材を使った商品を作りたいと思うようになりました」
そんな中で石野さんが出会ったのが橋本牧場でした。
信頼できる酪農家の極上生乳から生まれたアイスクリーム
十勝で古くから酪農を営んでいる橋本牧場の経営者は現在3代目。30年ほど前から放牧酪農を行っていて、日本で始めて放牧認証を受けた牧場です。
「橋本牧場さんはこだわって牛の飼育をしていて、うちはそこの生乳を直接仕入れて使っています。それがうちの一番のこだわりです」
橋本牧場では現在、ブラウンスイスという乳牛をメインに飼育していますが、そのブラウンスイスこそ、石野さんがほれ込む生乳を生む牛だそう。
「ブラウンスイスの生乳は濃厚で後味さっぱり。本当に美味しいんです。でも、ホルスタインと比べると、搾れる量が少ない。それで最初は8頭くらいしか飼育していなかったんですが、橋本さんは牛の育て方がうまく、ホルスタインほどではないけれど乳量も増えたので、今では飼育牛の8割くらいがブラウンスイスになっています」
ブラウンスイスの生乳しか使っていないプレミアムアイスは乳脂肪分がなんと15%。濃厚な味わいが特徴の、まさにプレミアムなアイスだそうです。
「うちのアイスクリームは橋本牧場産生乳100%なので、橋本牧場さんの牛の中でブラウンスイスの割合が増えたことで、ほかの商品もブラウンスイスの生乳の割合が増えています。また、生クリームはすべてよつ葉乳業さんのものを使っています。原料原価は高いですが、その分味には自信があります。アイスは持ち帰りが難しい商品なので、実店舗こそありませんが、全国のお客様の手元にお届けできているのがうれしいですね」
これからも十勝の美味しいものを届けたい。取材を通して、石野さんの熱い思いを感じることができました。