日本遺産の町で木の魅力を発信 Natural Backyard【兵庫県丹波篠山市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

 

丹波篠山市は、兵庫県中東部に位置する緑豊かな盆地。古来京都への交通の要として栄えてきた歴史があり、民謡「デカンショ節」や日本六古窯のひとつである「丹波焼」など日本遺産にも認定された伝統文化がある地域です。

そんな風情あふれる町の古民家をリノベーションし、木工房と雑貨店を営まれているのが「Natural Backyard(ナチュラルバックヤード)」の足立伸也(あだち しんや)さんと妻の留美子(るみこ)さんです。

篠山は森林面積が広く、良い木材が豊富に揃うまち。そんな地元の魅力を再発見でき、訪れる人々を木製品の優しさで包んでくれる空間です。

木工房では、木工作家の伸也さんがオーダーメイドの家具や雑貨を創作。木工教室やワークショップの開催、薪販売なども行なっています。木の香りや手触りを通して、子供から大人までが五感で学べます。

木工房から車で8分ほど移動した雑貨店には、木工房で作られた雑貨やオモチャが並んでいます。地元産のヒノキと自然塗料を使い、一つひとつ丁寧に磨かれた作品たち。店内では他にも、留美子さんが国内外から取り寄せている木製雑貨に触れることができます。

“小さな本棚”が幼児にも選ばれる理由 

“小さな本棚”は、「表紙が見える本棚がほしい」というお客さんのリクエストに寄り添って作られました。全体に丸みを帯びるまで磨かれた本棚はコンパクトで置きやすく、幼児が舐めてしまっても安全な商品です。

トラックのドライバーから転身という異色の経歴で木工作家になった伸也さんは、このようにお客さんの声に徹底的に寄り添うかたちで商品を生み出してきました。もともと息子さんのために作った木製のおもちゃが近所で評判を呼び、お客さんからの依頼に応え続けることでNatural Backyardを開業するに至った伸也さん。安全性を何より重視するのもお客さんの顔が見えているからこそ。ご自身がアレルギー体質であることから、「木材選びにこだわらないと自分も制作に取りかかれない」と笑って話してくださいました。

小さなお子さんへのプレゼントとしても人気がある“小さな本棚”。手作りの木製はご家庭に木の温もりをお届けします。

人間のDNAに「木は絶対必要」と書いてある

木工作家の伸也さんは、「木育」を考える公的機関の委員、またNPO法人Natural Backyard Factory (ナチュラルバックヤードファクトリー)の代表でもあります。篠山市内をはじめ全国各地で親子木工教室を開催し、コロナ禍以前は年間5000人に講演。「木は定期的に切ってあげないと、むしろどんどん弱っていって土砂崩れの原因になってしまう」など、正しい木との付き合い方も教えています。

そんな伸也さんが、どこへ足を運んでも決まって受ける質問があるそうです。

「そもそも木製って、なんで良いの?」

子供からも大人からも出てくる素朴な問い。伸也さんはいつもご自分の言葉で語られます。

「それはな、人間のDNAに『木は絶対必要』って書いてあるからやで。食べ物、水、空気のうちで、今無くなったら一番困るものはなんやと思う?」

どんな人も「まずは空気!」と回答します。木製に触れると「心地よい」と感じるのは、空気を作り出してくれる「木」をDNAレベルで必要としているから。人と木材に寄り添ってきた木工作家ならではの答えです。

五感で学び、頭で描いたものを形にする楽しさ。森林が持つ機能の大切さ。地元の自然の豊かさ。「木製品を手に取ることで、大切な何かを感じ取ってもらえれば」と伸也さん。Natural Backyardの商品には、そんな真心がこめられています。

阿部宣行

阿部宣行

山形県山形市

第3期ハツレポーター

山形にある探究教室の講師。子どもたちが熱中できることを見つけ、大人顔負けで実践できるように日々活動しています。ローカリティに参加してからの趣味は写真撮影。子どもたちの視野を広げるために記事を書き、写真を撮っていきます。