〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
ウエモンズハートは北海道帯広市にあるジェラート・アイスクリームショップです。
代表の廣瀬文彦(ひろせ・ふみひこ)さんはリバティヒル広瀬牧場の2代目で、牧場経営と並行して1999年にウエモンズハートを開業しました。
今回は、文彦さんの努力に牛が応えくれた出来事や、ジェラートのこだわりについてお話を伺いました。
目次
自分を「牛飼い」にしてくれたのは牛たちだった
「実家が酪農家」という理由で、周囲の空気を読むように農業高校に進学した文彦さん。当時は将来の道がぼんやり決まってしまっていることや自分の気の弱さに、投げやりな毎日を送っていたそうです。
高校卒業後は、実家のお手伝いとして牛のお世話をしながらも、友人と夜遅くまで遊び太陽が昇るころに帰宅。
牛にエサをあげる前に文彦さんは寝てしまい、お腹を空かせた牛の鳴き声を聞いた近所の方に「文彦さん、牛が鳴いていたけれどどうした?」と心配される日々。
「こんな家、出ていってやる」
これが文彦さんの口癖だったといいます。
そんな毎日の中、当時文彦さんのガールフレンドだった奥様・真由美(まゆみ)さんからの「家を出たら後悔するよ。あなた、牛が嫌いだなんて一言も言っていないじゃない」という言葉をきっかけに、文彦さんは本気で牛に向き合い始めました。
文彦さんが牛をよく観察して小さな変化を見逃さずにケアを続けていくと、獣医を呼ぶ頻度が減ったうえに搾乳量が増えていったのです。牛が自分に応えてくれたと文彦さんは感動したといいます。
「牛が自分を牛飼いにしてくれたんです」
そう話す文彦さんの言葉には、牛への感謝と愛が込められていました。
互いを思う夫婦の気持ちで生まれたジェラートショップ
ウエモンズハートは、文彦さんと真由美さんが二人三脚で経営を行っています。
結婚前は教師だった真由美さんに対して文彦さんは、「真由美さんがいきいきできる場所を作りたい」と考えていました。文彦さんのこの思いが、真由美さんの「文彦さんと牛たちのおいしい牛乳をたくさんの人に味わってもらいたい」という思いと見事に重なり、ウエモンズハートの開業に至ったのです。
ウエモンズハートのジェラートのこだわりは、着色料・香料を一切使用しないことです。牛乳も、低温殺菌を用いてタンパク質の変性を防いでより生乳に近い味と甘みが感じられるようにしています。
このようなこだわりも、お互いを思いやり、牛を大切にするお2人だからこそ実現できるのだと筆者は納得しました。
消費者に食や命の大切さを「伝えたい」思いを形に
文彦さんと真由美さんは、酪農体験学習にも取り組んでいます。
そのきっかけとなったのが牛乳の安売りや生乳の廃棄問題です。毎日当たり前にスーパーに並び、価格が簡単に上下する牛乳。牛乳の生産から出荷までには長い道のりや酪農家の思いがあるはずなのに、消費者の手に届くころには何ひとつ感じることはできません。
この現状を打破したいと考えた文彦さんは、酪農家の仕事や食を通して命の大切さを「伝える」ことを始めたそうです。
返礼品のジェラートには、こだわりぬいた本物の味を楽しんでほしいという思いが込められています。ぜひ、ウエモンズハートのジェラートを食べて文彦さんご夫婦の思いに心を寄せてみませんか?