秋田のふぐを全国へ!旨み際立つ加工の技で、新たな価値を生む【秋田県秋田市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

「北限のふぐ」と称される、秋田のトラフグ

「秋田のふぐの魅力を、加工品を通じて地元から全国へ広げたい!」との想いで家業を継いでいるのは、株式会社秋田まるごと加工の代表取締役・畑中雄也(はたなか・ゆうや)さん。株式会社秋田まるごと加工は2003年創業の秋田市土崎港(つちざきみなと)にある水産加工品の製造・販売を行う会社です。

畑中さんは異業種から転職し、ふぐの除毒技術を2年で習得し、2017年に法人化。良質で味わい深い秋田のふぐを、より多くの人へ届けるために「誰もやっていないことをこれからもやっていく」という畑中さん。地元・秋田のふぐに想いを詰め込んだ商品で、新たな価値創造に挑戦し続けています。

長い時間をかけてゆっくりと育つから良質で奥深いコク、秋田のトラフグ

7種類のふぐが水揚げされる秋田沖。厳寒(げんとう)期の強い海流のもとで育つ秋田のトラフグは、長い間エサをたくさん食べてゆっくり成長するため、味の深みを引き出すアミノ酸の一種であるリジンの含有量が多く、上品で淡白な味わいが特徴です。

トラフグの旬は春と秋で、秋田県の令和4年5月の漁獲量はなんと約3.5トン。東日本では主要産地の一つです。その多くは秋田県外の卸売市場で高値取引され、品質の良さが高く評価される秋田のトラフグ。畑中さんは、秋田のトラフグから生まれる新しい価値を創造することに挑んでいます。

「漁がないと仕入れナシ。加工原料もゼロだから、捕れた時のものは大事に使います。」と畑中さん。

畑中さんが漁港に出向き、水揚げされたふぐを仕入れて自社の加工場で除毒作業を行った後、料理用途に応じて様々な形に加工します。例えば、アラを丁寧に煮出して作ったふぐ出汁は、お刺身用のポン酢やふぐ鍋に使われます。また、頭と内臓を塩と合わせて1年以上かけて仕込んだ魚醤は、ふぐ雑炊や白子ムース、ふぐオイル漬けなどの自社商品の味を創る、自家製調味料として活かされています。

他社にはできない巧みな技で、美味しさを追及する

瓶入り商品の詰合せ。中身が見えて、味と調理方法をイメージしやすい

秋田のトラフグは、加工の技で美味しさを追及した商品に生まれ変わります。例えば、トラフグは、マフグ・ゴマフグ・ショウサイフグの骨と身を配合することで旨味、深みとコクが増した味わいになります。

全質量の2割ほどあるふぐの骨を使って作る、濃縮していないストレート出汁はそれまで前例がありません。この4種のふぐ出汁と長ねぎと白菜を合わせて煮込んだ商品は、2021年開催の食の逸品コンクール「料理王国100選」に選ばれ、審査員から「新しい発想が素晴らしい」と好評で、その味と香りが高く評価されました。

もうひとつの技は、自家製の魚醤の使い方にあります。例えば「秋田ふぐオイル漬け」は、前述のふぐ4種を魚醤で味付けすることで、ふぐの美味しさをしっかりと感じられる商品に仕上げています。さらに、ドライトマトで旨みをアップ。美味しさを追及したひと瓶なので、料理の味をキメる普段使いの調味料としても活用することができます。

秋田のふぐを「ハレ」と「ケ」の日に愉しむ

冷凍フライ2種

白子のムースの調理例 日々の食卓やお祝い事にどうぞ

加工商品を使った様々な調理例を提案する、秋田まるごと加工。祝い事などの「ハレ」の日や普段の「ケ」の日、どちらにもおすすめです。

例えば、白子のふわりとした舌触りのよさと濃厚なコクを生かした「秋田ふぐ白子ムース」は、トマトを飾ったオードブルやパスタソースで楽しむことができます。また、「秋田ふぐオイル漬け」は、ふぐの身の白と唐辛子やドライトマトの赤が引き立てる、お祝いパーティ料理で活躍してくれます。

”食べる人の暮らしの愉しみ”という新たな価値を創造する、秋田まるごと加工。「地場産の魚介類の魅力を加工品を通じて広く伝えよう」という先代の想いを35歳で受け継いだ畑中さんは、まだ見ぬ秋田の魅力を「誰もやっていない」加工でこれからも生み出し続けます。

田畑詞子

田畑詞子

秋田県秋田市

第1期ハツレポーター

1978年秋田県生まれ。清泉女子大学文学部英語英文学科卒。東京で就職後、いったん帰秋。2017年、横浜在住時にライター養成講座に通い、その後地元秋田でWeb記事の取材・執筆活動に携わるようになる。
日々の暮らしをブログに綴ったり、親しい仲間や縁遠くなった友人へ手書きのZINEを書いて送ったりと、書くことが好き。エッセイや小説へも関心がある。

2 件のコメント

  1. はじめまして
    札幌すすきので『ふく処信剣』を経営している渡邊と申します。
    今朝のテレビで、秋田で天然フグが上がると聞き調べてみたところ、あなたの記事に当たりました。
    それで出来れば秋田のトラフグを仕入れたいと思いメールさせていただきました。
    そこでですが畑中さんの連絡先を教えてはもらえないでしょうか?
    こんな時代にぶしつけなお願いという事はわかっていますがよろしくお願い致します。

    • 渡邉様
      はじめまして、ローカリティ!の編集部です。コメントありがとうございます!
      取材先の詳細についてはお伝えすることはできないのですが、
      記事で紹介されている秋田まるごと加工様のホームページであればお伝えできますので、
      https://akita-fugu.com/
      こちらからご連絡を取って聞いていただくのがよいかと思います。

      すすきのでふぐの専門店をされているのですね。札幌に行く機会があればぜひお邪魔したいです!
      ローカリティ!では全国各地の記事を発信しておりますので、いつか機会がありましたら『ふく処信剣』様のこだわりなどをお聞きしたいです!

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