医療・福祉に特化したWebサイト制作と運用サポート。トータル支援で企業のプロモーション活動をバックアップ【北海道札幌市】

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株式会社アーキテクチャーウェブシステム 代表取締役

Takashi Shigehisa
重久 貴氏

札幌の株式会社アーキテクチャーウェブシステムは、企業プロモーションツールとしてのWebサイト構築と運用支援、SNS活用サポート、企業に成果をもたらすWebコンサルティングまでを手がけています。1980年代からプログラミングを学んでいる代表の重久 貴(しげひさ たかし)さんは、「よい提案にはクリエイティブとテクノロジーの両方の理解が必要」と話し、技術的視点も兼ね備えた社員が顧客をサポートします。「数よりも質を」求める真意や創業からこれまでの経験、現在の事業、展望についてお話を伺いました。

ガソリンスタンド接客で気づいた自分の気持ち。持ち前のコミュ力でプログラマーの道を開拓

立ち上げまでのキャリアを教えてください。

札幌の専門学校で2年間コンピューター技術を学び、卒業後はプログラマーを目指してゲーム開発の会社に就職しました。90年代初期の当時は、身を粉にするような働き方をする会社も多く、自分の入社した会社もそうでした。会社に寝泊まりすることもよくありましたし、基本的に家と会社の往復だけの生活に「本当にこれでいいのか?」と自問自答するようになっていきました。あまりに人と接触のない毎日に疑問を持ち、約2年で後先考えずに退職しました。
とにかく人と話すことに飢えていたので、接客業がしたくてとりあえずガソリンスタンドでアルバイトを始めました。今までの技術畑とは大違いの仕事でしたが、意外にも居心地がよくて正社員にならないかと誘われるほど馴染んでいました。

そんなに居心地のいい職場を離れたのはどうしてですか?

やはり、専門学校と新卒で入った会社で培ったプログラミングの技術を、このまま手放してしまうことに抵抗があったんです。ガソリンスタンドの仕事は、気に入っていましたがこのまま続けていればせっかく学んだ技術を忘れてしまうだろうと。
接客はやりたい、でもプログラマーの技術も生かしたい。だったら両方できる環境を見つけようと思い、再就職を決意しました。次に入社したのは、プログラマーでありつつも、クライアントとコミュニケーションをとりながらシステム開発の提案ができる札幌のソフトウェア開発・販売会社。ここで初めて営業職を学びました。
ちょうどIT業界に革命を起こしたOS・Windows95が登場し、インターネットの普及とともに企業や個人がホームページを作るのが流行りだした頃で、システム開発の営業をしながら片手間でホームページ作成の仕事も受けていました。ホームページは一気にブームになったので、結構依頼が多かったですね。当時はまだまだ発展途上の業界だったので、新規参入が容易だったラッキーな時代でした。

新会社の立ち上げを機にIT企業の代表に。生まれ育った北海道で新たな挑戦

株式会社アーキテクチャーウェブシステムを始められたきっかけを教えてください。

札幌のソフトハウスで営業職を務めた後、当社の親会社となる株式会社アーキテクチャーに転職して数年がたった頃、札幌支店が会社分割されることになりました。そこで本社の代表から、新しく作る子会社の代表にならないかと持ちかけられたのがきっかけです。これまで札幌支店では、東京本社からの仕事を制作する制作部隊として機能していたのですが、新会社の狙いは従来の役割は果たしつつ、新たに北海道での顧客を開拓し、商圏を拡大することが狙いでした。
自分が会社を立ち上げるなんてまったく予想していなかったのですが、いつのまにか札幌支店のメンバーのなかでは古株になり、対外的なやり取りに責任を持つ立場になっていたんですよね。じゃあ自分が代表になるしかないなと、腹をくくりました。

新たに東京で仕事をする選択肢もあったと思うのですが、札幌で仕事を続けていこうと思われたのはなぜでしょうか?

札幌市を選んだのは、程よい自然と落ち着いた生活環境に魅力があるからです。
こうした環境はクリエイティブ業務に合っていて、技術者やデザイナーが静かで集中できる環境として、モノづくりの感性を磨くには抜群の街ですし、通勤が楽、というのも札幌で働く大きな魅力です。
また、生まれ育った北海道の地域社会に、微力ながら貢献できればという思いもありました。

現在の事業内容について具体的に教えてください。

ひと言でいうとWeb制作会社です。
具体的には、お客様の事業を支援するプロモーションツールとしてのWebサイト構築と運用サポート、それに付随するシステム開発をメイン事業にしています。
昨今ではとても需要の高いSNS集客のためのSNS活用支援事業も手がけ、アクセス解析によるコンサルなどWebに関する困りごとに幅広く対応しています。

特に力を入れているジャンルはありますか?

主なお客様事例として、多いジャンルは、IT、医療、福祉、建築の四つの業界です。特に医療の業界は、創業期に医療機関のコンペで案件を勝ち取れたことで専門的な知見もつき、弊社の強みになっています。医療法や薬事法における広告規制に抵触しないような制作を行うなど、ノウハウが身につきました。

案件数よりも品質重視。「数よりも質」を意図したモノづくりで理想的な働き方も実現

御社の強みを教えてください。

当社の強みは、クリエイティブとテクノロジーの融合に長けている点です。最新の技術を駆使しながらも、デザインの質を決して妥協しないことで、クライアントに真の価値を提供しています。
また、いただいたお仕事は絶対に下請けに丸投げせず、ディレクション・デザインは社内で行います。コーディングの工程は場合により協力パートナーさんに依頼することもありますが、基本的に提案から制作、運用、実装まで、一気通貫でプロデュースを内製で行えることも弊社の大きな強みです。

「数より質」に重きを置いているとのことですが、どのような経験でそのような考えにたどりついたのでしょうか。

過去に急ぎの仕事で品質が犠牲になった経験から、質を最優先にする重要性を学んだ結果です。
スピード最優先の案件が多いとどうしても各案件に対してクオリティーを高めづらく、いいものをクライアントに届けるには流れ作業ではいけないと思うようになりました。
ただ、そう思ってもすぐに体制を変えることはできないので、急ぎの仕事をこなしながら、新規の案件には腰を据えて取り組む体制を時間をかけて構築しました。
企業のWebサイトはビジネスにおいて何等かの成果を出すために作るので、「クライアントが求める成果とは何か」「そのためにはどういう作戦を打つべきか」を考え、その成果がでる打率を上げたいと考えています。質の高い成果を出すために時間をかけて丁寧に取り組むことを心がけています。
それに量よりも質を狙うことで、制作側も疲弊しない働き方ができるようになったことも、大きなメリットでした。

今後どのような会社にしたいとお考えですか?ビジョンなどをお教えください。

時代によって技術職の需要もやり方も当然変わってきます。AIの発達によって必要ではなくなっていく仕事も今後たくさん出てくるのは誰もが予想できます。今のやり方や方針に縛られていたら完全に取り残されてしまう。今、どんな波がきているのか、エンジニアが世の中に提供して喜ばれる最良なサービスは何か?常々それを自分たちに問いかけながら事業を展開していきたいですね。
また、国内外問わず名の知れた会社になるみたいなところは目指していないのですが、札幌地場でそれなりに名前が浸透したWeb制作会社として、どんな会社かは知ってもらえていることを目指せればと思っています。

クリエイターの資産は「スキル×興味」で作れる。「幅広い分野に興味を持ち、トライして」

今後スタッフを増員する際、一緒に働くクリエイターに対して、会社としてどのようなことを求めますか?

今後も基本的には内製でやっていくつもりですので、事業拡大のためにも将来的には増員しようと思っています。
スタッフに求めるのは基本、決められた納期でスケジュールを組み、品質を落とさずにプロジェクトを完了させることです。
ですが、それだけでなく、いろいろなことに興味を持ってやってみることが学びになっているようなクリエイターと一緒に仕事がしたいです。もちろんお客さまへのアウトプットにつながるジャンルであることが必須です。自己満足のモノづくりは独りよがりになってしまうので、弊社はクライアントのその先のエンドユーザーも見据えた制作を心がけています。
あとはスーパークリエイターとして突出するよりも、チームの一員として、自分が何の役割を果たすのが一番よいかわかって、その役割に徹することができる人。
チームの一員であること、自分の役割をしっかりと踏まえたうえで、どんどん挑戦していってほしいです。

これからクリエイターを目指す方に、メッセージをお願いします。

私がこの業界に入ったのは、95年〜2000年のインターネットビジネスの創世期でした。一般企業がホームページを持つことに取り組み始めた時代でしたので、言い換えれば、まだ誰もホームページ制作のプロではなく、セミプロレベルの知識や技術でも仕事をもらえる時代だったんです。
現在、クリエイティブな分野でのキャリアを目指す皆さんは、プロとして食べていくようになるまでの道筋は大変だと思います。必要となる技術分野も多岐にわたり、Webエンジニアを生業とするには参入ハードルが高くなりました。
ですが、ネットやYouTubeなどを活用すれば、独学でもある程度の知識は手軽に学べるようになったのも事実です。IT技術が身近な時代になり、エンジニアの腕を磨く手段は幅広くなりました。
エンジニアとして就職し、そこで技術を磨いた先に管理職を目指すのもいい、独立してエンジニアを極めるのもいい。多様性の時代ですから、道はいろいろ選べます。自分次第で、やりたい道を切り拓ける時代になりました。世の中のためになる技術を磨いて、次世代のIT業界を担っていってください。

取材日:2024年4月16日

株式会社アーキテクチャーウェブシステム

  • 代表者名:重久 貴
  • 設立年月:2006年8月22日
  • 資本金:700万円
  • 事業内容:ホームページ制作・運用支援、ソーシャルメディア活用支援、動画事例制作
  • 所在地:〒060-0042 札幌市中央区大通西14丁目1-13 北日本南大通ビル10階
  • URL:https://www.arc-ws.jp/
  • お問い合わせ先:011-208-1271

この記事は株式会社フェローズが運営する、クリエイターに役立つコンテンツを発信する「クリエイターズステーション」にも掲載されています。

宮本 和加子

宮本 和加子

北海道札幌市

クリエイターズステーション

15年間出版社に勤めた経験を活かしてフリーライターとして活動中。フェローズでは風雲会社伝の札幌を担当。普段は雑誌やWebでグルメ系や人物取材記事などを執筆している。ライター以外には、マヤ暦アドバイザーという別の顔も持つ。

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