沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。
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表面の観光と裏面の福祉。ふれあい・認めあい・支え合う、一人ひとりのしあわせづくり。
沖縄本島から西へ100㎞に位置する離島・久米島で「ふれあい・認めあい・支え合い、一人ひとりのしあわせづくり」を理念に活動する社会福祉法人 久米島町社会福祉協議会の事務局長を務める吉本景太(よしもと・けいた)さんと、生活福祉資金担当職員の新長民江(しんちょう・たみえ)さんにお話を伺いました。
「関わっている今の姿はこの人の本来あるべき姿なのかな?と考えて日々利用者様と接しています。人には過去、現在、未来があります。その人の権利や存在を認めるということが福祉の中の理念です。お互いに認め合って、生きていく。そんな共生社会を目指しています」
2020年に広島から移住をしてきた新長さんは、観光協会での仕事を経て福祉の世界へ飛び込みました。
「もともと久米島へ年に4回程度遊びに来ていた観光者でした。移住後に観光協会で勤めている時は、島を好きになる表面しか見ていませんでした。でも人が生活をしていく上で表面だけでなく、裏面もあることに気がつきました。もし観光を表面と仮定したら、その裏面は福祉ではないかと思い、島で暮らしていく人々に生活の中で課題があるなら一緒に取り組んで、解決していきたいと思い、社会福祉協議会へ転職しました」
新長さん自身も母の介護をした経験を通して、福祉の仕事は大変だと分かっていたつもりでしたが、障害福祉や福祉にまつわる資金のことなど初めて対峙する課題も多く、福祉の仕事は奥が深いと言います。
「久米島では人々がどんな暮らしをしているかを見ることができ、それが生活をするということなんだと福祉の仕事を通して思いました」
久米島らしい贅沢を維持するには何が必要か。ふるさとの大事なものを残していきたい
「社会福祉協議会の仕事は、良くも悪くも人の生活の一部を見る仕事です。どんな人も関わっていくと久米島らしい生活をされていると感じます。私も久米島での暮らしが好きで島に帰ってきました」
事務局長の吉本さんは、久米島出身で大学卒業から数年後にUターンして以来、社会福祉協議会に勤めてきました。久米島はアミューズメントスポットは少ないけれど、自然の中で楽しめることがいっぱいあり、海沿いをドライブすることが大好きだと言います。
「今は大きな希望や望みを持っているよりも、なんとか維持していこうという考えが大きいです。島の子ども達が減っていく中で、久米島らしい贅沢を維持するには何が必要かとよく考えます。島がこれからこうなってほしい、今までにない何かを取り込むことよりも島の大事なものを残していきたいです」
離島特有の問題に直面した時、状況に応じたサポートをしていくことで、どんどんと規模が大きくなる久米島町社会福祉協議会。どの事業も責任を持って取り組んでいます。
幸せの意味を持つ「福」「祉」。全島民が自分らしく暮らすために、正しく支援できるように尽力する
「自立の支援は、その人が自分で解決する力を引き出すことです。教育や子育てにも通ずるところがありますよね。どうやったらその人が自分らしい生活を立て直せるかが大切です」と、吉本さんは話します。
利用者やその家族から相談を受け、悩みを聞いたり、引き出したりする場面が多い福祉の仕事。聞き手である職員側も、自分の人生で積んできた経験が活かされます。
「福祉という言葉は”福”も”祉”どちらも幸せを意味しています。地域・社会・個人の間でも、お互いを認め、譲り合い、尊厳を守ること。それが福祉の仕事です」
「つながることこそ幸せ」をモットーに、全ての久米島町民が「自分らしく暮らすこと」を叶える。そのために困難な状況に直面している人に対して、必要な時に必要なことを正しく支援できるように尽力する、それが社会福祉法人 久米島町社会福祉協議会です。