「あきたの物語」は、物語をとおして「関係人口」の拡大を図ることで、県外在住者の企画力や実行力を効果的に生かした地域づくりを進め、地域の課題解決や活性化を促進する事業として秋田県が2023年度から始めました。秋田県や秋田にまつわる「ローカリティ!」のレポーターや地域の関係者が、秋田県各地の人々の活動を取材し「あきたの物語」を執筆して秋田県を盛り上げています。
「ドンドンパンパンドンパンパン」
底抜けの明るさと軽妙なリズムで全国的にも広く知られている「ドンパン節」。
ドンパン節の発祥地、秋田県大仙市中仙地域では「ドンパン祭り」が行われ、毎年8月16日に4万人を超える観客と2千人の踊り手が集います。
その踊りの中心になり、絣の着物をまとい可憐に舞うドンパン娘は、祭りの象徴とされています。
昨年、秋田公立美術大学と協働で、新しく「桜田まどか」ちゃんというキャラクターも作られ、子供から大人まで広い世代に注目されているのが、ドンパン娘です。
目次
ドンパン娘は「みんなのお手本」
中仙地区で生まれ育ち、ドンパン娘として活動するあすみさんは、初めて参加する人でも、小さな子供でもわかりやすい踊り方を心がけて踊っています。
「本来ドンパン節を踊る時は、手先を反らすなど、踊りを滑らかに見せるための独特な表現があります。子供や、初めて踊りを見た人には難しい表現なので、なるべく簡単に伝えられるように、みなさんが踊りの輪に加わっても、私たちを見ればすぐ踊れるように気をつけて踊っています」とあすみさん。
ドンパン娘の親近感のあるお手本で、誰でも安心して踊りの輪に加わることができます。
生まれ育った地域が好きだから、貴重な文化を残したい
あすみさんは幼い頃から、ドンパン祭りの季節になると地域の練習会にお母さんと共に参加し、地域の人たちとも交流をしながら踊ってきました。
そんなあすみさんのドンパン節の好きなところは、「ドンパン節が流れると自然に輪ができるところ」。心を高揚させるドンパン節のリズムによって自然に身体が動き輪がつくられ、祭りを最高潮に導きます。
また、ドンパン祭りは誰でも気軽に踊りに参加できるのが最大の特長になっていますが、民謡になじみがない若い世代や外国人でもドンパン節に親しんでもらえるようにロック調にアレンジした「ロックドンパン」もあります。それを子どもたちに教えに行くのもドンパン娘の役割です。
「ロックドンパンの他に、ドンパン節のもととなった円満造甚句(えまぞうじんく)というのがあって、ドンパン祭りや他のイベントでも踊るんです」とあすみさん。
円満造甚句を作ったのは、大仙市中仙豊川の「円満造(えまぞう)さん」と呼ばれる明治時代に活躍した宮大工。その後、秋田の民謡を全国に普及させようと大衆向けに編曲され、1961年(昭和36年)の秋田国体のテーマ曲に採用されたことで全国に広まりました。ドンパン節の歴史の普及の意味も込めて、円満造甚句の踊りも各地で披露しています。
ドンパン娘はドンパン祭りだけでなく、春のなかせん桜まつりや、秋の道の駅なかせん秋まつり、全国ジャンボうさぎフェスティバルなどにも参加します。2023年11月には、秋田市の聖霊女子短期大学へ訪問し、学生にむけて郷土への愛着や誇りを伝えるなど、伝統文化の力で地域の活性化を盛り上げる一役を担いました。他にも一年を通じて様々なイベントに参加します。
「中仙地域には興味深い伝統文化がたくさんあります。自分が生まれ育った大好きな地域の歴史を深く知り、踊りを楽しむことで後世に伝えていきたいです」とあすみさんは笑顔で話してくれました。
あなたもドンパン娘になって、伝統文化の知識を深めながらステージで注目を集めたり、多くの人と交流をしながら踊りの輪の中心になってドンパン節の魅力をたくさんの人に伝えてみませんか?
ドンパン娘を募集しています
■募集対象
秋田県内に限らず、中学生以上で踊りに興味があり、練習に参加できる方(経験は問いません)
・練習日程
4~11月 第3火曜日 市民向け講習への参加
6~7月 週1回ドンパン娘練習会への参加(新規参加者は相談に応じ追加もあり)
■申込方法
・電話 0187-56-2111 ドンパン祭り実行委員会へ直接申し込み。
・またはインスタグラム公式アカウント(@donpan_festival)ダイレクトメッセージでお申込。
・ドンパン娘はドンパン祭りの他にも、各地の様々なイベントへ参加しています(2023年は3〜12月の間に16件の参加)。
■お問合せ
ドンパン祭り実行委員会
(大仙市役所中仙支所内)
TEL 0187-56-2111
E-mail ns-service@city.daisen.akita.jp