
網走市の中心市街地に、34年続くオーセンティックバー「BEER & SCOTCH BAR THE EARTH」(以下ジアス)があります。
一度訪れた者は、マスターバーテンダーの鈴木秀幸(すずき・ひでゆき)さんを慕うようになり、網走市内・市外問わず全国各地からのリピーターも多く、網走市の夜を語るには欠かすことができない素敵なBARであります。
そんなジアスのメニューに、「流氷観光で網走に訪れるお客様のために」と考案された新商品が加わりました。
目次
温暖化の影響⁉昔と比べ流氷が見られる期間が少ない

温暖化の影響なのか、最近では流氷が接岸し海が流氷に覆われ一面真っ白というような沖合の絶景を望むことができる日が減ってきています。
ジアスに訪れたお客様から「流氷を楽しみに網走に来たが見ることができなかった」と、残念そうに話す顔を見ることが多くなり、何とか少しでも網走の思い出を良いものとしてほしいとの思いから、ジアスのバーテンダーである吉田忍(よしだ・しのぶ)さんと佐藤秀哉(さとう・しゅうや)さんが、流氷を感じられる新商品開発に取り組みました。

流氷を使用したオリジナルの氷でお酒を楽しむ
ジアスでは、以前から「流氷を使用した氷」を浮かべた「プラネット オブ ブルー」という、不動の人気を誇るオリジナルカクテルがあります。
鈴木マスター自らが考案したカクテルですが、店名「THE EARTH」からイメージされる、地球や冬のオホーツク海のような青と氷の白が映えた美しいカクテルです。

吉田さんと佐藤さんは、流氷を見ることができなかったお客様に、少しでも流氷を感じていただけたらとの思いから、流氷を使用した氷のカクテルをもう一品考え、好みで選べることでお客様により楽しんでもらいたいと考えました。
試行錯誤していく中で、身近で飲みやすいという点から、新メニューはハイボールと決め、鈴木マスターのアドバイスのもと、ジアス版の流氷ハイボールが完成しました。


「オホーツク海の塩を使った潮風香るハイボール」と銘打った、流氷ハイボールは2月3月限定販売とし、「販売当初から多くのお客様に喜んでいただいています」と吉田さんは話してくれました。
そのレシピは、ベースのニッカ・フロンティア、流氷を使用した氷とソーダ水に、ピートの味わいが効いた別のウイスキーとオホーツク海の塩を隠し味に使用しています。
まさに目の前のグラスの中はオホーツク海です。
筆者が飲んだ感想ですが、まずはグラスと氷が触れ合う音に着目、流氷を使用しているからなのか、「カラカラーン」という音が遠くロシアからオホーツク海を旅してきた壮大なロマンの音色に聴こえ、思わず目を閉じて聴き惚れてしまいます。
ソーダ水に負けないウイスキーの心地よいスモーキーな香りと、果実のようなコクと甘味に炭酸の爽やかさ、かすかな塩味の余韻に思わず「あ〜、うまい!」と言葉が漏れてしまいます。
二つ目の顔になるように
4月以降に網走を訪れる方に朗報です。2月3月限定販売している流氷ハイボールですが、大人気につきグランドメニュー化を検討中だそうです。
ジアスといえばプラネット・オブ・ブルーですが、佐藤さんは「流氷ハイボールが二つ目の顔になれたら嬉しい」と笑顔で語ります。その姿からは自信が垣間見えました。また、「流氷を見れた方見れなかった方問わず、喜んでいただいたお客様の笑顔が最高にうれしいです」と吉田・佐藤両バーテンダーは口をそろえて話してくれました。
取材をを終えて、姉妹店で「空港ジアス」と一部から呼ばれている新千歳空港内のジアス・ルーク&タリーでは、別のレシピではあるけれども、すでに流氷ハイボールが人気メニューになっているそうで、そのことからも二つ目の顔という目標も夢ではないと私は感じました。
流氷ハイボールは、これからもたくさんの方々を笑顔にさせていくことでしょう。

※写真はすべて筆者が撮影したものです。
情報
☆BEER & SCOTCH BAR THE EARTH
住所:北海道網走市南3条西2丁目 第2ツカサビル1F
電話番号:0152-43-5939
定休日:不定休
HP:https://www.theearth1990.co.jp/theearth
Instagram:https://www.instagram.com/the.earth.1990