【ハツレポーターの素顔に迫る!】信号もない、お店もない、学校もない。限界集落が教えてくれた地域の楽しみ方【北海道網走市】

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「うちの町、何もないでしょう?」

地元の方からそんな言葉を言われるたび、そんなことないのになぁと思っているんです、と話すのは、北海道網走市在住のローカリティ!ハツレポーター、猪澤 航(いざわ こう)さんです。

猪澤さんは高校を卒業すると同時に郵便局に就職し、北海道のオホーツク地域を中心に2市4町で転勤生活を送ってきました。中でも限界集落での生活がローカルを感じる印象的な出来事だったといい、現在地域ボランティア活動に参加するきっかけになっているそうです。

そんなローカルで活動する猪澤さんの想いに込められた背景をお聞きしました。

限界集落で住民を超える人が集まるなんて!ローカルの面白さを知った

初めて局長として命じられた移動先は、超高齢化が進む限界集落でした。当時39歳でしたが、集落の中では下から2番目の若手だったといいます。地域を見渡して更に驚きました。

信号もない、お店もない、学校もない。さらには、転勤したてで知り合いもいない。

そんな一見絶望にも思えるような何もない地域で起きた経験が、猪澤さんの人生を変えました。

物事のきっかけは、「楽しかったよね、昔は」という地元の方の言葉でした。

住民のその言葉は今を蔑むものではなく、また何かが起こって欲しいと心待ちにしているようなニュアンスだったといいます。

そんな話を地域の方とする中で行き着いたのが「お祭りの復活」でした。準備期間は約1年。慣れない作業もありましたが、実行委員メンバーとして心をこめて準備に励んだそうです。

そうしてやってきた秋祭り当日、信じられないことが起こりました。

なんと住民を超える人数が、この限界集落のお祭りに訪れたのです。中には、かつて住んでいた人たちや、もう親族は亡くなったが地域に縁のある世代の方々までいました。

地域を舞台に人が交差する様子をみて、「限界集落だから何もないなんて嘘だ。どんな地域にもポテンシャルがあるに違いない」と感じたといいます。

振り返れば転勤から2年間の居住でしたが、ローカルの持つ可能性や仲間と一緒に地域でアクションすることの面白さを教えてもらった気がしました。そこから、猪澤さんの地域熱は高まり、ボランティア人生が始まったのです。

(注釈:ボランティア活動の様子。地域の防災研修会で司会をしたり、海岸清掃への参加など活動は多岐に渡ります。)

戻って気づいた地元愛。違って見えた、9年ぶりの故郷

限界集落を含めた転勤生活を経て赴任したのは、幼少期を過ごした網走市でした。足を運ぶのは9年ぶり、住むのは実に23年ぶりとなる故郷です。地元の人からは「寂れた場所になったでしょう」と言われますが、猪澤さんの目にはもうそうは映っていませんでした。

ここには信号もあるし、お店もあるし、学校もあるじゃないか。

コンビニだってある。

でも、地元の人には見えていない、魅力も潜んでいるはずだ。

そう思うと、これまで感じたことのない地元への愛着が不思議と沸いてきたといいます。

何か地域でアクションしたいなと思い、地域活動にも積極的に参加しました。

そんな中で出会ったのが、住民が記者となって地域の魅力発掘発信の手法を学ぶワークショップ「ローカリティ!スクール」でした。 

ネットやSNSは若い人が盛り上がっているイメージがあり、申込み前は講座についていけないかもしれないと思いましたが、ワークショップの中で初めて作ったハツレポ(ローカリティに掲載される記事の名称)を講師に見せた時、「これは面白いね!」と褒められました。選んだ題材は「流氷の下で熟成されたお酒を出すバー」。メディア露出も少なく、地元の人でも一部しか知らない、地域の隠れたネタでした。

(注釈:流氷の下の海底熟成酒)

ある日バーで出会った人と話していて地域のおすすめを尋ねられた際、あえて地元の人が食べているものを紹介したことがありました。すると、観光客はとても喜び、選んでくれたといいます。その時に、観光客は必ずしもガイドブックに載っている情報を欲しがっているわけではないんだなと気づきました。

この出来事をきっかけに猪澤さんは正式にハツレポーター(ローカリティ記者の名称)となり、地域のとっておきの情報を発信しています。中には、猪澤さんのハツレポを読んで、現地に訪れてくれる人もいるそうです。

死を悟った生前の母が教えてくれた、生きるための料理。「食」は人生のキーワード

猪澤さんのハツレポは「食」に関することが大半です。

これは、ご自身の料理好きが所以となっていますが、実は亡くなったお母様が関係しています。猪澤さんが13歳になったある日、入院していた母親が突然自宅に帰ってきました。そして、猪澤さんと弟さんに10日間ほどかけて徹底的に料理を叩き込んだといいます。そして、病院に戻った3週間後にお母様は亡くなりました。死期を悟った母親の、息子を思いやる愛情溢れる行動だったのでしょう。

(注釈:ビーツとトマトを使った栄養素満点のお手製冷製パスタ。 これを記事に例えるなら、見出しは「美味さ3倍 赤い冷製のパスタ」だそうです!)

それまでは目玉焼きが焼けるくらいの実力でしたが、料理のレパートリーが増え、料理男子へと成長しました。だから、猪澤さんにとって「食」は人生のキーワード。そんな思い入れのあるテーマと掛け合わせて、地域の魅力を発信していきたいそうです。

一度地元を離れ、様々なローカルにダイブしてきた猪澤さんならではの着眼点で綴られるハツレポを、これからもどうぞお楽しみに!

猪澤さんのハツレポはこちらから読めます!

https://thelocality.net/author/8a05817f6827120a0e07287c2661e3b2a16e0c07/

グミ

グミ

東京都

編集部記者

ローカリティ!編集部
誰よりも"もっと"あなたを面白がる、 グミです!
旅するように働く中で出会った、心がときめくローカルの魅力をハピシェアしていきます!

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