秋田市在住のハツレポーター田川珠美さんが、秋田の静かなお正月のひとときを「冬空ほのかに」と題して綴りました。
冬空ほのかに
微笑んで いるのか
嘲笑って いるのか
氷点下の中 雪寄せをして汗だくになる 秋田の暮らしを
下ばかり
見ているから
こんなに優しい空のあることに
気付かず過ごす 生活よ
1月1日 午後4時30分
どこかの家からコンソメを煮込む匂いがする 幸福な営み
もう少しだけ 外に居たくなる
雪の白さでまだ少し明るい いちばん短い静かな時間
ガリガリと 氷った雪砕くシャベルの音たてながら
「ただいま」と 冬のにおいを着て帰る大切な誰か待ちながら