全国最早の梅雨明けのシンボル、沖縄初夏の風物詩「ハーリー舟競争」に参加してみた【沖縄県宮古島市】

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初夏の沖縄で、最も活気ある行事といえば、なんといっても「ハーリー(爬竜舟)」競争。県内各地の漁港ではサバニと呼ばれる伝統漁舟を使ったレースが繰り広げられます。

本来、漁師が豊漁や航海の無事を祈願するための祭りですが、近年では大衆化し、女性や子供、居合わせた観光客でも参加できる身近なイベントに変化。

ハーリー鉦(ガニ)の音が響き渡ると梅雨明けとなり、本格的な夏が訪れると言われています。今回は筆者の地元沖縄県宮古島にて開催された海神祭のプログラムの一つ「ハーリー舟競争」に参加しました。

海神祭の案内 年一回のお祭りに来場者の足取りも軽やか。
地域の神に感謝の祈りをささげ、五穀豊穣・豊漁・安全航海をはじめ祭り開催の感謝を祈願します。
競い合うハーリー舟

ハーリーの歴史

沖縄のハーリーは、今から約600年前の琉球王朝時代に、中国から伝来したと言われています。

五穀豊穣・無病息災・航海安全を祈願する琉球王府の大きなイベントであったため、瞬く間に沖縄本島各地へ知れ渡り、宮古・八重山地方には沖縄本島南部の糸満地域の漁夫により広められたと言われています。

廃藩置県や沖縄戦の影響により、長らく中断を余儀なくされましたが、沖縄の漁師文化として現在も途絶える事なく受け継がれています。

旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)に行われることが多いのですが、ゴールデンウィークに合わせて開催されたり、地域により開催日程が異なる場合も。また、民謡ライブなどのイベントも同時に開催されるなど、観光・地元客問わず大勢で楽しめる行事です。

ハーリー舟の乗組員

ハーリーは、爬龍船と呼ばれる竜をかたどった、手漕ぎ舟の早さを競います。漕ぎ手たちは、打ち鳴らされる鉦の音に合わせて「エーク」と呼ばれる「かい」をリズミカルに漕ぎ、ゴールを目指します。

一般的なハーリーの乗組員は、サバニの場合12~22名前後で構成されます。漕ぎ手だけではなく、舵取りや鉦打ちなどいくつかの役割があります。

那覇ハーリーなど、大型爬龍船を使用し30〜40人の乗組員の規模で競技が行われる場所もあります。
 

【乗組員の役割】

・漕ぎ手ーー舟を漕ぐ人たち。この人々がいないと船は走らない 

・鉦打ちーー先頭に立ち、一定のビートで鉦を叩き掛け声をまとめ、エネルギーを集中させる役割。

・ 舵取りーーまっすぐ走ることも難しいハーリー舟の進行を司り、状況判断・バランスの分析・的確な指示など、一連の作業全てを知り尽くした猛者が担います。

・スタート時に船を押す人ーー地味だが重要。スタートダッシュも勝利に向けて重要な要素の一つです。 ※大体その辺を歩いている人にお願いする場合が多い。

いざ!レース参戦!!

筆者のチーム「荷川取(にかどり)青年会」は、第2レースに出場。
練習なしのぶっつけ本番で臨みました。

地元青年会の「地の利」を信じ、レースは始まりました。
スタート直後からまっすぐ走らない。縦の往復コースを真横に横切り、左右に蛇行。
しかも折り返したトップの妨害をしつつレースは無情にも続く。
その後、折り返しを諦め、岸へ向かうも迷走😭

ゴールすらできず、あえなくリタイア宣言。
救助に来てくれた漁船に引航され、強制的にゴール、、、。

恥ずかしすぎて全員苦笑い。

見応えある決勝戦!一位がフィニッシュ!!

レースを終えて

我々のレースは散々でしたが、祭りを楽しむ子供からお年寄り、鮮やかな色とりどりの舟、響き渡るハーリー鉦の音。そして青空。

季節の移り変わりを味わい、昔から変わらない地元の風景。

イベント最後は地域の伝統舞踊「荷川取クイチャー」で幕を閉じます。
三線と歌の伴奏に合わせ、皆で輪になって踊り盛り上がりは最高潮!

地元の祭りは地域によくなじみ、体で感じるエネルギーはとても大きく・強く感じられます。
「沖縄の夏はもうすぐ」

新たな季節の訪れを告げる、地域の風景はまだまだ続きます。

沖縄の夏はもうすぐ

                    

波名城優

波名城優

沖縄県宮古島市

第7期ハツレポーター

1982年宮古島市出身、在住です。
一時期島を離れ、帰郷後地元の魅力を伝えるため、宮古島をテーマにしたコンテンツ制作事業を小さく展開しています。
自然、文化も多彩な宮古島の魅力をローカル目線で紹介致します。
特技 撮影 サーフィン ギター演奏

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