「おツナみ」に「鰹ちゅう汁(かっちゅうじる)」!!秀逸なネーミングでおさかなへの愛が爆発、水産加工業の浜口水産【沖縄県宮古島市】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

美しいエメラルドグリーンの海にかかる全長3540mの伊良部大橋。宮古島の西側、その橋を渡った先にあるのが伊良部島です。明治期よりカツオ漁と鰹節産業が盛んなこの島で2015年から水産加工業を営んでいる浜口水産。そこで働く北川絢香(きたがわ・あやか)さんにお話を伺いました。

伊良部島のカツオを余すことなく商品にしたい

浜口水産の創業者である代表取締役の濵口美由紀(はまぐち・みゆき)さんは、神戸市場で水産業に携わっていた夫の博至(ひろし)さんと共に2015年に伊良部島に移住し、浜口水産を立ち上げました。旅行で沖縄を訪れた際、「カツオの本場は伊良部島」と聞いて食べた伊良部のカツオの美味しさに衝撃を受け、その味に惚れ込んだそうです。

「この美味しいカツオをできるだけ余すことなく商品にしながら、地域活性化ができないか」という思いから、佐良浜漁港で水揚げされた鮮魚を冷凍して販売するだけでなく、様々な加工食品を開発しています。

「おツナみ」に「鰹ちゅう汁」。ネーミングだけじゃない商品へのこだわり

浜口水産の商品はどれもネーミングがひとひねりしていて、興味をそそられるものばかり。

中でも「鰹ちゅう汁(かっちゅうじる)」はお店の看板商品です。
伊良部島では、カツオのだしの効いたみそ汁を「勝負汁(しょうぶじる)」と呼び、昔から縁起担ぎに飲んでいるそうです。それを簡単に飲めるようにアレンジしたものが「鰹ちゅう汁」。

手作りの宮古みそに、伊良部のかつお節の粉末を混ぜ合わせて作っています。宮古みそは、島の泡盛を入れた独特のもので、島の方から作り方を教わり、一から手作りされているとのこと。島では生卵を落として飲むのがオーソドックスな飲み方だそうです。

この「鰹ちゅう汁」には具が入っていないので、野菜につけて食べたり、炒め物の調味料として使っても美味しい!と北川さん。「鰹ちゅう汁」の一食タイプが「勝負汁」で、こちらはネーミングにあやかり、受験シーズンや、ここぞ!という勝負の時に購入する方が多いという人気商品です。

「おツナみ」はその名の通り、お酒のあてやおつまみにピッタリなマグロのソフトジャーキーです。塩水で洗い、干しただけのシンプルな作りで、保存料や化学調味料を極力使わない、というこだわりも。高たんぱく、低脂肪で、アスリートの筋肉保持にもぴったりだそう。

そのほかにも、「とびだい」という7kgを超える大物のカツオも入った削り節「花鰹」や、沖縄産黒糖を使ったマグロやカツオの佃煮、カツオだしの効いた「魚屋のてんぷら粉」など、どの商品にも魚への愛があふれています。けれど、浜口水産の商品は、魚への愛だけでなく、それを食べてくれる人への愛もある。体に優しく、子どもからお年寄りまで楽しめる、そんな商品なんだなと感じました。

「ましな」珈琲と美味しいおさかなの天ぷらが頂けるカフェは地元の憩いの場

浜口水産の店舗にはカフェが併設されていて、その名も「ましな珈琲」。「ましな」というのは、「ちょっと良い、美味しい」という意味で、社長の濵口さんが好きな珈琲の豆を使って、美味しい珈琲を提供しているそうです。今回お話を伺った北川さんは、このカフェで働かれています。

「水産加工会社なんですけどね、珈琲がすごく美味しいので、珈琲目当てに来てくださる方もいらっしゃいます。ほかにも宮古島のマンゴーや石垣島のパイナップルを使ったスムージーも自然な甘みで美味しいです」と北川さん。

そして、その珈琲に合わせる名物が魚の天ぷらです。

「沖縄の天ぷらはフリッターみたいな、サクサクというよりぷくぷくした感じなんです。素朴で美味しくて、地元の方もよく買いに来てくださいます。寒い日は特に、作業してて寒いから天ぷらであったまろうか、という感じですかね。沖縄のおやつ、ソウルフードだと思います」

浜口水産の「魚屋のてんぷら粉」は冷水で溶くだけで、美味しい沖縄天ぷらが作れるそうです。お店では、基本はマグロを使いますが、要望があればイカやシイラなど、その時にある魚を揚げることもあるとのこと。自慢の「鰹ちゅう汁」も、オリジナルでアオサを入れたものを提供しています。

「コロナ前は、店内で食べていただけたんですけど、今はテイクアウトのみになっています。私は奥の加工場と行き来しながら、ベルが鳴ったらお店に出て天ぷらを揚げています」という北川さん。

それでも、美味しいコーヒーと天ぷらを目当てに地元の人が集まる憩いの場です。

地元とつながり、地元の本当に美味しいものを商品化して広く、大勢の人に食べてもらいたい。限られた水産資源を余すことなく!という浜口水産の滋味あふれる商品を、筆者もぜひ食べてみたいと思いました。

浜口水産

https://hp.hamaguchi.okinawa/

笠原 磨里子

笠原 磨里子

千葉県浦安市

第3期ハツレポーター

東京都港区生まれ。世田谷区を経て千葉県浦安市在住。3人の男の子を育てながら、PTAや自治会、ボーイスカウトの指導者など、地域と繋がる活動をしてきました。
「食べること」「体を動かすこと」「歌うこと」「旅すること」が大好き♬
楽しく地元の魅力を発信していければと思っています!*

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